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芭蕉会議 第一回特別展
椎名美知子の世界 ― 詩集『失わないで「青空」』―
期間=平成18年5月15日〜8月31日
ごあいさつ
芭蕉会議文学館の第一回特別展として、著者の御了解を得て「椎名美知子の世界」を開きました。
『失わないで「青空」』は「二十歳になるあなたに」と副題にあるとおり、直接には障害を背負って成人式を迎える娘に贈る愛のうたですが、その清澄なことばは万人の心を写す明鏡のようです。わたしは、詩作の魅力は描写による生の領域の拡大にあると語り続けてきましたが、それは短歌・俳句や漢詩・新体詩などの形式を問うものではありません。目前の日常を真摯に暮らすために、形式を超えて俳諧・俳句以外の作品をも味わいたいと思います。
末尾になりましたが、この企画に快諾くださいました椎名美知子さんに感謝申しあげます。そして、椎名さんが芭蕉会議の仲間として、わたくしどもの近くにいることをよろこびたいと思います。
読者のみなさんの御感想をお待ち申しあげます。
2006年5月12日
谷地快一
◆書誌=『失わないで「青空」』。詩集。四六判。椎名美知子著。「推せんのことば」枝見静樹・堀雅子。「あとがき」椎名美知子。荒井康雄装丁。平成元年十月二日、財団法人富士福祉事業団刊。
目次 (タイトルをクリックしてください)
旅立ち 時間
旅の途中
笑顔圏
私の存在
明日あなたに逢える
洋服
街路樹
一泊
かわいそうなんかじゃない
自分の翼で帰っておいで
すばらしいな
ことば
積み重ねていくしかないんだね
一ページ
日記
門戸

にっこり
どこかで
童謡

迷い
足音

雨のち晴れ
春の門
旅立ち
もう消しゴムはいらない
失わないで青空
自分の翼で帰っておいで



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