詩集『失わないで「青空」』 |
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授業参観の五月の日曜日
安田君は
胸と両手いっぱいに
<青空>を抱えて やってきた
ピカピカのサラリーマン一年生
君たちに僕の<青空>を
分けてあげたい と
初給料で箱詰めの菓子に
<青空>をいっぱい 詰めてきた
後輩たちは
安田君の誇りと励ましを味わいながら
急に大人びた一ヶ月前までの仲間に
自分の近い将来を重ねて
まぶしく見上げている
年々狭くなる障害児の就職口
<青空>に雲が拡がることも 雨が降ることも
健常者社会の大人のエゴイズムが予報するのだ
安田君 頑張ろうね
失わないで<青空> |
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