詩集『失わないで「青空」』   ホーム
   子
手許においておきたいのに
私の手から離れないと
光らない宝物

いなくなった時
何でうずめようかと
じっと手を見つめる

巣立っていく日の空虚さを
誰もが味わっているのに
通り過ぎられないでいる自分
吹き抜ける風の音を聴いている

<案ずるより産むが易しさ>
そんな声を
かすかに聞いたような気がして
わずかに安堵する
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