詩集『失わないで「青空」』
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しもやけ
しもやけの手が
春をつかみ損ねてひっこめた
<丸まった背は似合わないよ
冬を引きずった頬は似合わないよ>
園の土手の桜が一輪
笑顔をはじかせた
<春を招くのは
あなた自身の心よ>
寒い冬を耐えてきたいぬふぐりの
小さな水色の花が微笑みかけた
のら猫のシロが
窓辺で大きく背伸びをした
親から離れて初めて迎える春
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