詩集『失わないで「青空」』   ホーム
   光

3才のあなたの将来に
光を求めて歩いた

長い上り坂を
あなたを促しながら辿りついた丘の上で
S先生に出会った
<大丈夫! よくなるよ!>
信じられなくて反復してみる
<大丈夫! よくなるよ!>

固い頬がゆるんだ
目の奥に力が湧いてきた
体中の筋肉が躍動を始めた
あなたの顔が丸く見えた
窓の外の緑が鮮やかだった
五月晴れの空が光っていた

帰りにあなたと
陽気に鈴を打ちならす
パンダのおもちゃを買った
今日から光を見つめて歩いていけるね

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