詩集『失わないで「青空」』 |
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<おやすみ>
ふとんに入った娘の手を握ってみる
小さい時とあまり変わらない
ふわふわと柔らかい 心地よい感触よ
いつか一人で食事の支度が出来るだろうか
いつかお掃除がきれいに出来るだろうか
わたしが生んだ生命だ
わたしが育てあげたい生命だ
この手で教えなくては
この手でみんな伝えなくては
<何でもしたいね>
<うんッ>
<何でもしようね>
<うんッ>
十六才―親から離れる年頃なのに
あどけない顔が母の胸におさまる
今夜も繰り返されるおやすみの会話から
わたしは長い娘の未来を手さぐっていく |
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