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2006年 バックナンバー
12月 ひろがりし噂は事実冬座敷
12月 水尾真直ぐ引き戻り鴨仲直り
12月 思ひつめるくせや火鉢に手をかざし
11月 雪虫の童話のやうな窓に住む
11月 落葉踏む音に話もほつほつと
11月 再会の小春日和をよろこばれ
10月 ネクタイを外して紅葉山に入る
10月 ゆきあひし人もポストへ十三夜
9月 水澄むや母を葬る詩を碑とし
9月 夜なべ終え兎のやうなやさしき眼
9月 木犀のことより手紙書き始む
8月 灼熱を免れがたし百日紅
8月 夏痩せの母の見てゐる方をみる
8月 みんみんが鳴くゆゑにいにい蝉も鳴く
7月 投げ渡す坐蒲団三十畳涼し
7月 風鈴に寝入りたる子の爪を切る
7月 立ち話日傘ひろげてより弾む
6月 蜘蛛の囲の頭にさはる生家かな
6月 若竹や驚きやすき鹿の耳
5月 麦飯を蔑みし過去麦の秋
5月 草笛のじやうずな彼も転校す
4月 乗り換への一番ホーム花の雨
4月 お下がりを着て堂々と入学す

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