わくわく題詠鳩の会兼題解説

◆ 兼題解説 氷柱・金目鯛 ◆

氷柱(つらら)
〔本意・形状〕 滴る水のしずくが寒さの中で凍りつき、家の軒下や木の枝、崖や岩石などに円錐状に長く垂れさがる。垂氷(たるひ)、立氷(たちひ)ともいう。晴れた日の氷柱は陽に輝いてことに美しい。寒さの形象であるがどこか明るい印象がある。
〔季題の歴史〕 「朝日さす軒の垂氷は解けながらなどかつらつら結ぼほるらむ」(『源氏物語』末摘花)。連俳では、『連珠合壁集』以下、『至宝抄』『毛吹草』『増山の井』など、すべて冬または11月として掲げる
〔類題 傍題〕 垂氷(たるひ)・立氷(たちひ)・銀竹(ぎんちく)
〔例   句〕 朝日かげさすや氷柱の水車       鬼貫
御仏の御鼻の先へつららかな      一茶
遠き家の氷柱落ちたる光かな    高浜年尾
丘の上の寺の氷柱も見ゆるかな   高野素十
みちのくの町はいぶせき氷柱かな  山口青邨
金目鯛(きんめだい・きんめだひ)
〔本意・形状〕 関東以南の太平洋側の水深100メートル~1000メートルの深海に分布。体色は鮮紅色で目が大きく金色に光るのでこの名がある。肉は白身で美味。刺身、煮つけ、鍋などに賞味される。
〔季題の歴史〕  『図説大歳時記冬』(角川書店・昭和40年6月)立項・解説のみある。
〔類題 傍題〕 錦鯛(にしきだい)
〔例   句〕 睨み返して金目鯛食べにけり     水原春郎
(根本梨花)


このサイトについてサイトポリシー