わくわく題詠鳩の会兼題解説

◆ 兼題解説 蝸牛・青林檎 ◆

蝸牛(かたつむり)
〔本意・形状〕 マイマイ目の陸生有肺類巻貝の一群の総称。5~6階から成る螺旋形の殻があり、大部分は右巻き。頭部の2対の触覚のうち長い方の先端にある眼で明暗を判別する。雌雄同体で、卵生。湿気の多い夜など、木や草の若葉などを食する。
種類が多く世界に2万種、日本にも700種とされる。童謡にも唱われて親しまれている。
〔季題の歴史〕 『夫木和歌抄』雑に、蝸牛「牛の子に踏まるな庭のかたつぶり角あればとて身をな頼みそ 寂蓮」○『毛吹草』(正保二)『鼻紙袋』(延宝五)に五月として所出。○『梁塵秘抄』に「舞へ舞へかたつぶり、舞はぬものならば、馬の子や牛の子に蹴させてん、踏みわらせてん、まことに美しく舞うたらば、花の園まで遊ばせん」が知られる。
〔類題 傍題〕 かたつぶり ででむし でんでんむし まいまい
〔例   句〕 かたつぶり角ふりわけよ須磨明石      芭蕉
三日月の梢に近し蝸牛           几菫
蝸牛(ででむし)の頭もたげしにも似たり  子規 
光陰は竹の一節蝸牛            阿部みどり女
蝸牛甲斐も信濃も雨の中          飯田龍太
青林檎(あおりんご)
〔本意・形状〕 緑色の瑞々しい青林檎は六月から出始める早生種である。硬くて酸味のある歯ごたえは新鮮さに充ちていて、秋に実る林檎を夏に味わう、気持ちの嬉しさがある。このすっきりした酸味は妊婦のつわりにも好まれる。
〔季題の歴史〕 『毛吹草』(正保二)『増山の井』(寛文七)『はなひ大全』(寛文八頃)以下に「林檎」として六月に所出。
リンゴは現在「青林檎」は夏に「林檎」は秋の季語(季題)に分類されているが『山本健吉 基本季語五〇〇選』によると江戸時代は「林檎」は全て夏の季語であった、という。「林檎は江戸時代も元禄以降になって、季語とされたが当時の俳書はすべて夏六月としている。」として『滑稽雑談』『栞草』を挙げている。そしてさらに「「林檎」を夏とは、明治になっても踏襲され、「新俳句」に「葉がくれて林檎の赤き西日哉」紅緑、「春夏秋冬」に「我恋は林檎の如く美しき」富女、とそれぞれ一句ずつ採録されているが、何れも夏の部である。」と記している。
〔類題 傍題〕 早生(わせ)林檎
〔例   句〕 青林檎しんじつ青し刀を入る     山口誓子
青林檎ひとの夏痩きはまりぬ     石田波郷
青りんごただ一個買ふ美しく     細見綾子
青林檎ゆっくりと知恵育てゐる    大串 章
青林檎よき歯を母にもらひけり    西島あさ子
(根本梨花)


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