| ◆ 兼題 | ||
| ※ 兼題は二題、内一題を選び1句を投句して下さい。 | ||
| 2025年3月末日〆切 | 春雨・山吹 | 兼題解説 |
| 2025年7月末日〆切 | 涼し・昼顔 | 兼題解説 |
| 2025年11月末日〆切 | 寒し・春 | 兼題解説 |
| 鳩の会会報124(令和7年11月末締切分) |
| 寒し・春 |
| 【Advice】 今回の題のひとつ「春」にはやや戸惑った人もいたのか、出句が少なかった。二十四節気(太陽の黄道上の位置を二十四等分した立春から大寒まで)における春は立春(新暦2月5日ころ)から立夏(新暦5月5日ころ)の前日まで。天文学的な意味における春は二十四節気の春分(新暦3月21日ころ)から夏至(新暦6月22日ころ)の前日までとウシロにずれる。これらを勘案して、気象庁(新暦・陽暦・太陽暦・明治6以降)は3月から5月までを春としているようだが、明治5以前の旧暦(陰暦・太陰太陽暦)、すなわち1月(睦月)・2月(如月)・弥生(3月)を踏まえる文化が今も残るのでやっかい。これを秩序立てて説く力を誰に求めようか。天文学者、歴史学者、哲学者、それとも陰陽師か。 句の評価はABC三つの符合で評価しています。その意味するところは以下の通りです。 A:省略が利いて、抒情あきらかな句 B:季感が備わるスケッチ C:焦点定まらぬつぶやき |
| A 雨やどり足踏みしたる寒さかな エール 「足踏みしたる寒さかな」が平明にして秀逸。「足踏みをする」で十分かも。 |
| A 足踏みし最終電車待つ寒さ ちちろ 「足踏み」で「寒さ」にリアリティが出た。 |
| A 踝の素足と紛ふ寒さかな 鹿鳴 「寒さ」を「素足」なみの〈くるぶし〉と描く。実感による作。 |
| A 買ひ出しの市なつかしき寒さかな 貴美 年用意の買い物であろう。誰の記憶にもある点が「なつかしき」となったのであろう。平明にして秀逸。 |
| A 懐かしき声の寄り添ふ寒さかな 京子 「寒さ」を寒いままでなく、「懐かしき声の寄り添ふ」と温かく描いた点が腕前。平明で秀逸。 |
| B ふるさとの寒冷線の旅あかり 安愚楽 帰郷を詠んだ句か。「寒冷線」で「ふるさと」も「旅あかり」も淋しさに染っている。 |
| B 出棺の爪愛で寒さ身の奥に e i k o 逝く者の「爪」を「愛で」て「出棺」を納得しようとする。哀しみは痛々しいほどにわかるが、「寒さ身の奥に」は観念的。 |
| B ひとつ癒えひとつ負ひたる寒さかな 馨子 〈癒える〉「寒さ」、「負ひたる寒さ」とは難解。 |
| B 二度咲きは自由と百合咲く朝寒し 和子 「二度咲き」が返り花か、蕾の開花かで迷ってしまった。「朝寒し」との季重なりも気になる。 |
| B 病む母の夜寒の息も懐かしき 梨花 母を恋う句と思うが、「病む母」を恋う句ととられかねないので、主題を明確にしたい。 |
| B 草千里人すぼみ行く寒さかな 窓花 「すぼみ行く」が面白いが、他者の寒さに終わってしまう点が惜しい。 |
| B 雀さへまだ眠りたる寒さかな 真美 あれは眠っているのだろうか。本意、つまり雀本来のありかたとは違う気がする。 |
| B 寒さ負ひ焼き芋の香する店に入る 美知子 「焼き芋」は冬の言葉なので、「寒さ」とかぶってしまった。 |
| B 漬け樽に魚塩かさね寒き海 由美 好物の西京漬などを想像したが、たぶん間違いでしょうね。「寒き海」もどこを指すのかむずかしかった。 |
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| A 千代の春しつかり眠れ親子熊 千年 熊の生きにくい近年の事情を鑑みて残し置くべき優しい句。 |
| A 靴ひもを結びなほして今朝の春 ひぐらし 年の始まりを「靴ひもを結びなほし」という行為で示して情味が生まれた。 |
| B 初春や手作り煮染め三の重 美雪 「三の重」は縁起を祈る根菜類のおせち。「初春」と重なるのが減点。 |
| B 越前和紙句帳新たに春を待つ つゆ草 たしか「句帳新た」は新年の言葉ではなかったか。季重なりが気になる。 |
| B 春なれば老いたる母も薄化粧 蛙星 「老いたる母も」では痛々しく、救われない。 |
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