| 夏の月(なつのつき) |
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| 芭蕉句 | 蛸壺やはかなき夢を夏の月(猿蓑) 手をうてば木魂に明(あく)る夏の月(嵯峨日記) 月はあれど留守のやう也須磨の夏(笈の小文) 月見ても物たらはずや須磨の夏(笈の小文) |
| 〔本意・形状〕 | 月は秋の季語であるが夏の月も独特の風趣があり、類題に月涼し、また夏の霜、ともあり、月が地面を白く照らす事を白楽天の詩から引用している。熱い日中から解放されて涼しい夜に見上げる月である。 |
| 〔季題の歴史〕 | 「枕草子」に「夏は夜、月のころはさらなり。闇もなほ」とあり、「夏の夜の月」は、古来から和歌にも度々詠まれている。 |
| 〔類題 傍題〕 | 月涼し 夏の霜 |
| 〔例 句〕 | 市中は物のにほいや夏の月 凡兆 戸の外に筵織るなり夏の月 正岡子規 夏の月皿の林檎の紅を失す 高浜虚子 夏の月蚕は繭にかくれけり 渡辺水巴 なほ北に行く汽車とまり夏の月 中村汀女 |
| 瓜(うり) | |
| 芭蕉句 | 朝露によごれて涼し瓜の土(こがらし) 夕べにも朝にもつかず瓜の花(佐郎山) 山陰や身を養はむ瓜畑(いつを昔) 瓜の花雫いかなる忘れ草(類柑子) |
| 〔本意・形状〕 | 瓜(うり)は、甜瓜(まくわうり)、胡瓜(きゅうり)、越瓜(しろうり)、西瓜(すいか)、南瓜(かぼちゃ)糸瓜(へちま)、などの総称であるが、昔は甜瓜(まくわうり)をまず意味していた。 ウリ科のほとんどは、蔓を伸ばし、巻きひげをもってものにからまり成長する。 |
| 〔季題の歴史〕 | 山上憶良の歌に「瓜食めば子等思ほゆ。栗食めばまして偲ばゆ。~」と(『万葉集』巻五)にあり、奈良時代から食されている。これは甜瓜である。 |
| 〔類題 傍題〕 | 初瓜 瓜畑 瓜盗人 |
| 〔例 句〕 | 水桶にうなづきあふや瓜茄子 蕪村 遠きより友こそ来けれ瓜むかん 召波 吹井戸やぼこりぼこりと真桑瓜 夏目漱石 先生が瓜盗人でおはせしか 高浜虚子 瓜の蔓宙に途方に暮れてゐし 中村苑子 |
| (根本梨花) | |