白山俳句会会報 No.66

飯能句会 白山句会報第66号

  □日時 2025年11月2日(日)
  □会場 古民家くろっく(カフェ・クロック離れ)


 久しぶりの吟行句会は秋晴れの良い天気に恵まれました。会場は、西武池袋線 飯能駅に近い場所にあるカフェ・クロック併設の「古民家くろっく」にて開催されました。カフェのオーナーと親交の深い、鈴木草栞さんに大変お世話になりました。
飯能祭りの2日目にあたる当日、伝統的な山車やお囃子、踊りなど、飯能祭りを堪能しました。また、草栞さんのご案内で観音寺、丹生神社、諏訪八幡神社、アトム像、飯能河原など散策しました。
 句会場では、風情のある祭囃子が、途切れることなく聞こえていました。
 今回の参加者が10名と少なかったので、句会は早めに終わり、先生が連句を始められました。月の出番あたりで、古民家のピアノで草栞さんにベートーヴェンの「月光」を弾いていただきました。とても良い思い出に残る句会となりました。

<エール記>


〈 俳 話 少 々 〉

 初めて降り立つ飯能はまるごと昭和を残す街と思われた。秋祭りだったせいかもしれない。神経痛持ちの私は足手まといになるのを恐れて遠慮したが、草栞氏引率の吟行も新鮮だったらしく、良い句を読ませてもらった。句会の醍醐味のようなものを味わった気がする。今回のように嘱目が新鮮で強烈な句会では、欠席投句が色あせて見えるのが普通。でも「薬飲む湯吞並べて秋うらら」(青柳つくし)には感心した。「薬飲む」などという行為は気持ちが落ち込みがちだが、それを「湯吞並べて」とお茶目なところ、「秋うらら」と明るいところが読者には嬉しい。
 句会がはねて、懇親の食事会まで余裕があったので、付合(連句)で遊んだ。俳句は俳諧の一部で、俳諧の目的は同座する喜びを味わうこと。連句は再会がかなった喜びの時空であります。またお目にかかりましょう。

 「すれすれに」六句
 すれすれに行き交ふ山車や鰯雲     馨子
 古民家カフェに小鳥来るころ      真美
 「月光」のさはりを弾きてもてなさん  草栞
 のぞいてゐるはほろ酔ひの客      海紅
 お土産に飯能ブルーの猪口ひとつ   ふみ子
 卒寿ことほぐ窓の初雪        うらら
 2025.11.2白山句会飯能にて即興(衆議)                <海紅記>


〈 句 会 報 告 〉

 互選は三句投句、五句選の結果です。ただし、海紅選は詩情の有無を優先して、五句を超える数を選んでいますので、互選の点数に含めてはおりません。なお、一部の作品について、作者の意図をそれない範囲で表現を改めたものがあります。<海紅記>


☆ 谷地海紅選 ☆

男衆を二枚目にして秋祭り うらら
ムーミンの別宅のある町の秋 うらら
薬飲む湯吞並べて秋うらら つくし
すれすれに行き交ふ山車や鰯雲 馨子
秋祭り飯能焼きの猪口(ちょこ)ゲット ふみ子
隔世の感ありムーミン谷に秋 正子
掘れば掘るほど秋深しダンゴムシ 正子
飯能の何やらゆかし里神楽 つゆ草
晩秋の囃子おかめは双子なり 真美

☆ 互選結果 ☆

4 すれすれに行き交ふ山車や鰯雲 馨子
4 秋の旅にはかに吾も祭客 馨子
4 祭り笛砂糖醤油の香を飛ばし 海紅
3 柳散る飯能を翔ぶアトム像 真美
3 晩秋の囃子おかめは双子なり 真美
3 銀杏散る路地に聞こゆる笛太鼓 草栞
2 晩秋の蕎麦屋の暖簾色褪せて つゆ草
2 落花しきり香木犀ふむまじと 和子
2 男衆を二枚目にして秋祭り うらら
2 秋まつり遠き日のこと母のこと うらら
1 カフェの灯が路地に映ゆるや秋の星 由美
1 どんぐりを拾へて嬉し痛む指 美雪
1 落ち葉掃く背にまた落ち葉よき朝(あした) 美知子
1 玄関の提灯ひとつ秋祭 真美
1 笑み交はしCome Together冬隣 窓花
1 あやかしや一輪残る彼岸花 ふみ子
1 夜学子の書架に彷徨ふ神無月 ひぐらし
1 かなたには秩父連山秋深し つゆ草
1 飯能の何やらゆかし里神楽 つゆ草
1 居囃に心も弾む秋祭り 草栞
1 川風に吹かれ舞ひ出す秋の蝶 草栞
1 新蕎麦や祭囃子に気のはやり 馨子
1 酔芙蓉お色直しで一日終へ 和子
1 真夜中に聞く雨の音冬近し 蛙星
1 秋天へ矢印のごと丹生樹 エール
1 『季寄せ』から視線車窓へ露霜へ エール

〈備考欄〉
掲示板より草栞さん投稿文を一部転写させていただきました。
飯能散策コース
(出発)飯能駅北口~八幡神社~観音寺~諏訪神社~天覧山下(アトム像/能仁寺)~飯能河原~店蔵絹甚~銀座通り~カフェ・クロック
参考写真も添付しておきます。
写真1:八幡神社(三島由紀夫の『美しい星』ゆかり)
写真2:天覧山
写真3:観音寺
写真4:飯能諏訪神社
写真5:中央公園の鉄腕アトム像(手塚治虫公認)
句会終了後の打ち上げ会を経て祭の最後のクライマックスとなる
山車の引き合わせもご覧頂き解散となりましたので,その模様の
写真スナップを添えて私からの感謝のご挨拶とさせて頂きます。〈草栞〉

☆ 参加者 ☆ <順不同・敬称略>
谷地海紅、宇田川うらら、佐藤馨子、梶原真美、鈴木草栞、世羅安愚楽、田中正子、平塚ふみ子、三木つゆ草、村上エール(以上10名)

☆ 欠席投句者 ☆ <順不同・敬称略>
青柳つくし、礒部和子、植田ひぐらし、尾見谷静枝、椎名美知子、谷 美雪、丹野宏美、中里蛙星、西野由美、根本梨花、古崎笙、眞杉窓花、(以上12名)

<取りまとめ、エール記>
< 了 >



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