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二三言残し一炉に籠もられし

■200712_02
海紅 2007/12/17-15:55 No.[2398]

二三言残し一炉に籠もられし


久保寺勇造 2007/12/21-02:55 No.[2401]

この句に出会い障子の向こうに消えていく薄すき影の遠い日の父そして母を想い胸が張り裂けんばかりです。
芭蕉が蕪村・子規が名句を先取したあとの俳句には平然として対応できましたがこの衝撃はどうしたものでしょう。心の機微を捉え静かな人の動きを平易な言葉で迫るのはこれは平成の名句の誕生です。
「お父さんお母さん、お陰で生きて行けます」


三木喜美 2007/12/21-09:52 No.[2402]

以前「夜なべ終え兎のやうなやさしき眼」の句を拝見した時私は勝手に自分の撮った炉端の写真を添付して味わっていたのですが、今度の句はまさに炉端の暖かさと温もりとそれに団欒の場以外の生活の姿まで見えてきて、しみじみと伝わるものがあります。久保寺さんの想いも心を打たれます。多分今の子達は恵まれ過ぎていて親達の苦労など考えてもいないのでしょうね。かつての日本の生活の場には懐かしさだけではないほのぼのとしたものがあったように思います。最近童謡に触れることが増えその歌詞のすばらしさを再確認することが多く、この句もそのような叙情をほうふつとさせすところがあると感じました。

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