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芭蕉会議 第二回特別展 「金井巧の四季」
春の句
友来るや俄かに多弁受験の子 地下迷路抜け立春の陽を浴びぬ
早春のミニコンサート始まりぬ 囀りや野に満ちあふる五線の譜
塾の灯のひとつ残りし余寒かな 断れば断れること余寒の灯
囀りのひたむきなれば野を去らず 嫁がせし夜の連翹の花明り
恋もせし激論もせし花堤 海棠に視野を占めらる今朝の雨
如月や弥勒菩薩の泣きぼくろ 受話器よりかろき春愁伝はりぬ
ふるさとの梅の香りの葉書かな 草に寝て空に溶けゆく蝶仰ぐ
恋猫の一声闇を濃くせしめ 花の宴のがれて花の影を知る
着く駅ものぼりし丘も花辛夷 休止符ののち囀りの高まれり
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