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芭蕉会議 第二回特別展 「金井巧の四季」
秋の句
廃線の駅舎の見ゆる花野かな 絵画展出でて秋思の深まりぬ
新涼や本屋に寄れば書の匂ひ 出会ひしも別れしもまた花野みち
佇めば望郷しきり夕野分 櫓田や隣りも農を継がざる子
白壁に影を舞はせて秋の蝶 木槿垣曲れば別な風に逢ふ
廃線のレールたどれば芒野に 哲学の道を歩めば秋高し
柿の実のひとつひとつに夕日影 湯に浸す手のゆらゆらと今朝の秋
憂愁をつつみし秋の風に逢ふ 少年の日に還す風秋祭り
理髪店出て新涼を身にまとふ 露寒や逢ふたび深き母の皺
人恋へば身に沁む灯影秋めきぬ 遺影より母のつぶやき夜長し
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