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兼題解説

狩人 (かりうど)
〔本意・形状〕 歳時記によっては狩人に遊猟家を含めるものもある。しかし普通は職業として、銃器・網・罠・猟犬などを使って鳥獣を捕獲する者をいう。猟期は現在、法律により原則として11月15日から2月15日までの3ヶ月である。季節は冬(三冬)。
〔場所〕 山野・湖畔
〔季題の歴史〕 松永貞徳の「誹諧御傘」(はいかいごさん・慶安4年刊・俳諧の式目を述べた書)に「狩場かり人など皆冬なり」とある。
〔別名〕 猟師・猟人・猟夫(さつお)・マタギ(マタギは東北地方・北海道で古い方法を用いて集団で熊などの狩猟を行う狩猟者集団である。)
  ・狩人に世辞の一つも茶屋女房      高浜 虚子
  ・猟夫のあと寒気と殺気ともに過ぐ     森   澄雄
  ・行きずりの銃身の艶猟夫の眼      鷲谷七菜子
  ・くろがねの銃より固き猟夫の眼      小川原嘘帥 
(堀口希望)

 

薪能 (たきぎのう)
〔本意・形状〕 四方に篝火が焚かれ、その明かりで演じられる能。現在は「鎌倉薪能」「平安神宮薪能」「奈良興福寺薪能」などが有名。
〔場所〕 寺や神社など
〔季題の歴史〕 平安時代、興福寺東西金堂で催された修二会の前行事「薪宴」が起源と言われる。 
〔別名〕 若宮能・芝能
〔分類〕 行事
  ・薪能もつとも老いし脇師かな        高浜 虚子
  ・薪能火の粉ついつい火を離る       山口 誓子
  ・後ジテの出に風も死す薪能         能村登四郎
(安居正浩)

 

初夢 (はつゆめ)
〔本意・形状〕 年の初めに見る夢。良い夢であることを願い、枕の下に宝船の絵を敷いて寝たりする。
〔場所〕 室内
〔季題の歴史〕 古くは節分の夜に見る夢を言った。
『山家集』には立春の朝、昨夜の夢を初夢と詠んでいる。室町時代には、除夜か元日の明け方に見るのが初夢とされていた。天明の頃から、元旦の夜か二日の朝の夢を言うようになる。これは大晦日の夜は、夜を徹するので夢はなく、元日の夜に初めて夢を見ることになるからである。現在では二日の夜に見る夢を初夢というが、これは正月の様々な技始めが、二日に集中することに準じたと考えられている。
初夢のめでたいものは「一富士、二鷹、三なすび」とされる。
〔別名〕 夢祝・夢流・獏枕
<獏枕>は、歳時記によっては(冬)に分類される場合もある。夢を食う動物とされる獏の絵を、節分の夜に枕の下に敷き悪夢を見ないようにと願った)。
『好色一代男』に「二日節分、厄払いの声、夢ちがひ、ばくの枕、宝船売」とある。
  ・初夢のただしらじらと覚めてなし      大野林火
  ・初夢の母死なさじと手を握る        山口波津女
  ・空ごとと思えど捨てず獏枕          佐藤紅緑
(根本文子)