白山句会会報 No.4   ホーム

日時 平成23年7月18日
場所 芭蕉記念館

東日本大震災後のあれこれを考える意味で、4月の白山句会を中止しましたので、久しぶりの再会でありましたが、みなさん汗をふきふき、お変わりない御様子なによりでした。
句会の前に谷地先生より近況についてお話がありました。その中でもっともうれしいお話は、10月8日(土)・9日(日)に東洋大学で行われる俳文学会第63回全国大会で、芭蕉会議の仲間Nさんが研究発表をされるということでした。また、新しく鈴木雅実さんと、真杉泰輝さんが参加されました。最近芭蕉会議に入会された鈴木さんは情報処理が御専門で、先生とは心理学の方面で一緒に仕事をされる予定とのことです。一方、真杉さんは先生のゼミのお若い学生さんです。これを機会に芭蕉会議に参加されて、長く俳句をたしなんでいただきたいと思います。

― 谷地海紅選 ―     ※一部推敲の結果を掲載しています。

◎伏して草取るひたすらの時が好き 月子
 夕凪やあつき思ひの出口なし ふみ子
 シャンプーの匂ひほのかに洗ひ髪 靖子
 炎昼の川風運ぶ屋形船 ひぐらし
 庭先の花をほめられ夕涼み 千寿子
 パラソルを傾け友の笑顔かな 喜美子
 スタンドのエール交換雲の峰 無迅
 夏暖簾くぐれば片手上げし人 つゆ草
 燕の子見送りいらぬ顔をして 良子
 田植すみふつくら母の肩かたし 富子
 大川に見る遊船のUターン 正浩
 滴りて古墳壁画の濡れてをり 靖子
 打水や人形町に洒落た店 宏通
 明け易し世界制覇のPK戦 千寿子

互選結果

裏木戸が開いて大川端涼し 海紅 4(特2)
夕凪やあつき思ひの出口なし ふみ子 3(特2)
再起かけ漁場の男汗光る 富子 2
シャンプーの匂ひほのかに洗ひ髪 靖子 1
筆先を一気に降ろし盛夏来る つゆ草 3(特1)
翁より老いてアカザの杖持たず 月子 2
日陰無き舗道や白き百日紅 鈴木 1
炎昼の川風運ぶ屋形船 ひぐらし 2
雷雨止む月をちこちの潦 宏通 2
地震の地の現は闇ぞ蠅叩 2
庭先の花をほめられ夕涼み 千寿子 2
パラソルを傾け友の笑顔かな 喜美子 2
蔓草や道に迷ひし炎天下 良子 2
スタンドのエール交換雲の峰 無迅 1
毛虫這ふ全身の毛を足にして 靖子 2
世界一朱文字翩翻雲の峰 ひぐらし 1
暮れなずむ薄紅の色合歓の花 宏通 1(特1)
伏して草取るひたすらの時が好き 月子 5(特1)
夏暖簾くぐれば片手上げし人 つゆ草 5
みすゞの詩メロディーつけて星祭 千寿子 2(特1)
山女釣る川水清し阿蘇の山 真杉 1
燕の子見送りいらぬ顔をして 良子 7(特2)
田植すみふつくら母の肩かたし 富子 1
大川に見る遊船のUターン 正浩 3(特1)
地震の年願ひはるかな星祭 由美 3
滴りて古墳壁画の濡れてをり 靖子 3
女房の紐付き眼鏡晩夏かな ひぐらし 2
低き雲払へる月の宵涼し 鈴木 2
打水や人形町に洒落た店 宏通 1
とげとげや茄子に悪意があらうとは 月子 3
裁ち鋏バサリと暑き日々を切る つゆ草 6(特2)
明け易し世界制覇のPK戦 千寿子 5(特2)
声枯らし坊主頭に玉の汗 真杉 1(特1)
夏菊を抱へし女の急ぎ足 良子 1
夕生まれしアゲハの翅の沈黙かな かずみ 1
夏雲やアクアマリンの恋そめし ふみ子 1
川風の涼しきことよまた四五歩 海紅 4(特1)
教へ子が生き様語る炎暑かな かずみ 5
朝顔の色を数へて母起きる かずみ 2
朝焼けの天に炎暑の予感かな 喜美子 3(特1)
あきらめない猛暑の一撃世界一 美雪 1
ごきぶりへ一撃妻の声借りて 正浩 2

 

参加者 
谷地海紅 つゆ草 米田かずみ 大江月子 小出富子 水野千寿子 西野由美 
菅原宏通 伊藤無迅 尾崎喜美子 平塚ふみ子 園田靖子 宇田川良子
柴田憲 ひぐらし 鈴木雅実  眞杉泰輝 安居正浩 谷美雪

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