白山句会会報 No.11   ホーム

白山句会 白山句会報第11号
日時   平成25年4月13日(土)
句会場  東洋大学白山キャンパス6号館4F、文学部会議室


☆ はじめに ☆
 久しぶりの白山校舎での句会であったが、好天と言うこともあり、句会前に近隣の小石川植物園を吟行された方もいた。四月は催しの月のためか、先約があって常連の方が相当数欠席。先生を入れて十名の句会であった。今回は先生が句会進行を担当されたが、選句発表前に各人が印象に残った句の感想を述べ合ったり、選句発表を従来の各人発表から選句用紙を回収し纏めて発表する、いわゆる披講形式にするなどの変化があった。句会の進め方は、俳句結社・グループごとに様々なやり方があるが、そういうものを体験できるのも白山句会の良いところだと思う。また懇親会では根本文子さん、眞杉泰輝さんの俳号が誕生した。根本さんは代表句「梨の花鍵あけて入る父母の家」から「梨花」、眞杉さんは今回の句「久々の教室の窓花曇り」から「窓花(そうか)」と、それぞれ先生の推薦によるお披露目となった。根本さん、眞杉さんおめでとう御座います。


☆ 谷地海紅選 ☆

土筆煮て母愉します昼下り こま女
縄解かれ松の緑が眩しけり 通済
春風に大樹さらりと歌ひ出す 由美
密やかに風が運びし菫かな 馨子
茶を煎れて忘れてゐたり豆の花 無迅
ゆらゆらと柳の枝よ何思ふ 泰輝改め、窓花
たんぽぽの黄の踏まれゆくいぢらしさ
ほんのりと空を染め上げ夕桜 馨子
落花浴びつかの間妖精になりました ムーミン
久々の教室の窓花曇り 窓花
タンポポの陣取合戦白の勝ち 良子
春うらら徒歩の烏に会ひにけり 良子

☆ 互選結果 ☆
6 銅鐸の眠りし狭間木の芽風 無迅
4 ほんのりと空を染め上げ夕桜 馨子
3 屋上に出て待つ時間あたたかし 海紅
2 春うらら徒歩の烏に会ひにけり 良子
2 小雨降る桜の回廊われひとり 馨子
2 少しだけ菫くくりて髪飾り 山茶花
2 久々の教室の窓花曇り 窓花
2 縄と解かれ松の緑が眩しけり 通済
2 土筆煮て母愉します昼下り こま女
2 はからずも桜林の隣人
2 花は葉に空やはらかき風流れ こま女
1 東大の藤棚低し子規在れば 文子改め、梨花
1 いかめしき将軍の園花盛り ムーミン
1 炊飯器コトリと切れし春の昼 無迅
1 たんぽぽの黄の踏まれゆくいぢらしさ
1 葉桜やこれといふ稿われになく 海紅
1 来るはずの人を待ちゐる躑躅燃ゆ 海紅
1 昆陽の碑は甘藷色しやぼん玉 梨花
1 育種ものつつじ目映し植物園 山茶花
1 のどけしやしかるべく老い歓尽す ムーミン
1 茶を煎れて忘れてゐたり豆の花 無迅
1 餌を求め群がる鯉や春の里 通済
1 ハンカチの木は蒼穹の父に咲く 梨花
1 柔らかき風に誘はれ桜散る ふみ子
1 ゴムボールすぽと入りし躑躅花 由美
1 春寒に寄り添ひて咲く二輪草 美知子
1 わらべ蹴る赤いボールや花霞 むらさき

☆ 合評 ☆

 披講後の合評で、送り仮名の使い方が話題にのぼった。例えばこま女さんの句を例に上げると、「土筆煮て母愉します昼下り」の「昼下り」は原句が「昼下がり」。
 先生のお話では、そもそも送り仮名は明治以降に統一がはかられたもので、江戸時代までの意識はまちまちであった。「昼下」とあっても読み手が「昼下がり」と読んでくれた。近代以降は、国家としてそれを統一したということ。俳人の世界には独特の仮名遣いが残っているが、俳壇は一般の辞書に示される仮名遣いを受け入れていくべき時期が来ている。ただし、前回も話したように、表現として無駄を省く姿勢が大事なことは変わらない。というお話がありました。


☆ 参加者 ☆ <順不同・敬称略>
谷地海紅・小出山茶花・水野ムーミン・根本梨花(文子改め)・西野由美・平塚ふみ子・宇田川良子・真杉窓花(泰輝改め)・椎名美知子・伊藤無迅 
<欠席投句> 菅原通済・柴田憲・こま女・佐藤馨子・むらさき

<以上伊藤無迅・記>


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