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芭蕉会議 第二回特別展 「金井巧の四季」
夏の句
夏の風邪なつく隣の子を帰す 夏の風邪あなどり試算表合はず
ハンカチや多感でありし日ははるか 釣りの子に遠き鐘の音行々子
夏菊の鉄路に添ひし無人駅 病葉と焚く色褪せし手紙かな
訪れてまづ風鈴にもてなさる 睡蓮の生みし波紋の近づきぬ
そこのみに闇をあつめし白牡丹 容赦なく襲ふ一病梅雨ごもり
大正のロマン横溢古日傘 紫陽花の藍に染まりし雫かな
病葉の地におちてよりくれなゐに 贖罪のごと炎昼の街を行く
鷺草の舞ひにほどよき闇の濃さ ポケットの中に五月の風遊ぶ
嫁がざる娶らざる子等梅雨寒し 短夜や叱りて消えし夢の母
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