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 ■白山連句会第二十一回興行
 海紅   2016/04/11-10:46  No.[955]
    白山連句会第二十一回興行

山房の海紅   2016/04/11-12:21  No.[956]
 
       口上
平成28年は蕪村生誕300年にあたります。それを記念して白山連句では蕪村発句の脇起し四歌仙を試みます。

1)捌きは海紅(春)がしゃしゃり出たほか、千年(夏)・瑛子(秋)・希望(冬)の御三方に御願いいたしました。

2)立句に当季の蕪村句を迎えるほか、趣向の一切を捌きにお任せいたします。

3)春の巻の開始に際しまして、発句を「花の香や嵯峨のともし火消ゆる時」(蕪村句集185)といたします。

4)春の巻の連衆に無迅・ひぐらし・つゆ草・うららの四氏を指名し承諾を得ました。大方は未経験者と言ってよいでしょう。

5)方針は「ガンバラナイコト」「タノシムコト」の二点です。海紅がそのように導くことが出来るようガンバリマス(?)。

6)膝送りを原則に誘導いたします。但し、脇句は名刺代わりに四人から一句いただいて、その後に自然と順序が定まるようにします。

7)連衆以外の皆さまには、ギャラリー(パトロン)として,
連句の基礎の基礎を学んでいただきますよう、臥して御願い申し上げます。

 

山房の海紅   2016/04/11-15:23  No.[957]
 
    花の香や嵯峨のともし火消ゆる時  蕪村
→やや冷えた空気の中を、色のない煙のように桜の花が香る。気が付くと嵯峨の里の家々の灯火は消えていて、妖艶な夜桜の姿と主客入れ替わるように、花の香りがしているという句であろうか▼連衆の皆さん、はじまりの挨拶のつもりで、脇句(短句、七七)を一句ください。発句が晩春の花ですから、ちょうど四月の今の日常にある季語で具合がよい。京の嵯峨は歌枕だから、気どってしまいそうだけれど、優雅を狙う必要はないので、発句を立体的に見せてくれる何かに焦点をあてて見てください▼例えば、芭蕉が「軽み」を達成したことで有名な「木のもとに」歌仙(『ひさご』所収)というのがあるのだけれど、その発句は芭蕉の「木のもとに汁も鱠(ナマス)も桜かな」で、それに付けた珍碩の脇句は「西日のどかによき天気なり」というものでした。「のどか」が春の言葉です。ビックリするほど軽いでしょう。それでいてちゃんと花見(発句)の背景になっている。これでイイノデスヨ。まずお前が見本を見せろですって。ハイわかりました。植物は発句にあるから避けて、「寝覚めの犬に届くさへづり」。「囀り」で発句にない音を出してみました。続いてどうぞ、遊び心で。

 

山房の海紅   2016/04/11-19:20  No.[958]
 
    花の香や嵯峨のともし火消ゆる時  蕪村
寝覚めの犬に届くさへづり 海紅

→夜桜に夜が更けて、いったん眠りについたはずの番犬が目を覚ますと、鳥たちの囀りが聞こえている。そんな景色です。しかし、これは海紅が出したひとつの回答に過ぎません。皆さんには皆さんの回答がある。そこがこの詩歌の面白いところです。七七を御願いします。
 

伊藤無迅   2016/04/11-20:56  No.[959]
 
    年功から私の番かと思い、付けさせてもらいます。

花の香や嵯峨のともし火消ゆる時  蕪村
 しじまの底に朝のふらここ    無迅

春の明け方は静寂そのまま、人々は昨夜の夜桜見物の疲れか、春眠をむさぼっているのか起床が遅い。
 

宇田川うらら   2016/04/12-00:24  No.[960]
 
    この度は大層お世話をおかけすることと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

花の香や嵯峨のともし火消ゆる時  蕪村
春あかつきにペダル漕ぐ音  うらら

春の朝、宴の余情にひたっていると駅へ急ぐ自転車の音。また変わらぬ日常が今日も始まったことだな。

今日が仕事のため今夜中にと急ぎました。割り込みで失礼しております。





 

つゆ草   2016/04/14-11:29  No.[961]
 
    この欄が開けずに失礼しました。宜しくお願い致します。

 花の香や嵯峨のともし火消ゆる時 蕪村
 舞子の帯の春陽にゆるる  つゆ草

京都から離れた方が良いのでしょうか?
 
 

つゆ草   2016/04/14-17:00  No.[962]
 
    春陽がともし火に近すぎると考え、

  川のほとりに揺るる青柳  つゆ草

とします。鴨川辺りには川辺に柳の木が薄緑色に川辺を飾っている光景を見た事があります。
 

伊藤無迅   2016/04/14-20:55  No.[963]
 
    先ほど先生にメールを入れましたが、ひぐらしさんから本日小生にメールが入りました。体調を崩されていてパソコンが使えない状況化下にあるようです。心配です。
 

伊藤無迅   2016/04/14-21:02  No.[964]
 
    先ほど先生にメールを入れましたが、ひぐらしさんから本日小生にメールが入りました。体調を崩されていてパソコンが使えない状況化下にあるようです。心配です。
 

車中の海紅   2016/04/14-21:05  No.[965]
 
    氷解、諒解。とりいそぎお見舞い申し上げます。書き込みチェックしても反応できないせわしい数日でした。本日これより俳文学会東京研究月例会へ、いまその車中にて。明日には再開します、ルンルン。
 

山房の海紅―熊本地震のお見舞いを申し上げます   2016/04/14-21:05  No.[966]
 
    花の香や嵯峨のともし火消ゆる時 蕪村

1)しじまの底に朝のふらここ  無迅
2)春あかつきにペダル漕ぐ音  うらら
3)舞子の帯の春陽にゆるる   つゆ草
4)川のほとりに揺るる青柳   同


 

山房の海紅―眠っているブラウザ   2016/04/14-21:55  No.[967]
 
    たとえば、芭蕉会議事務局からメールマガジンが届いて、さっそく内容(コンテンツ)を確認するのだけれど、自分のPCの画面(ディスプレー)は以前のままで、更新(アップデート)されていないことがある。それは機械を動かすために自分のパソコンの中にいる作業員(ソフトウエア/ブラウザ)が眠りこけているから。その怠け者の眼を覚ましてやらねばならぬ。その作業が「再読み込み」といって、具体的にはキーボード上部のF5(ファンクション ファイブ)を押すこと。ボクはこんなふうに記憶している。以上、ボクと同じようにパソコンが苦手な人へ、参考まで。

 

山房の海紅―座のこころ   2016/04/16-12:30  No.[968]
 
    この歌仙の連衆を御願いしたひぐらしさんが身体の変調を訴えてメンバーを外れることになりました。しかしその代わりとして別の人を入れることはいたしません。それが座(Guild/Gathering)のこころです。座の文学のよい点です。歌仙が満尾(終了)するまで、ひぐらしさん登場を待ちながらすすめたいと思います。ひぐらしさんは白山連句のギャラリーとして、自分が参加する夢を思い描いていた方です。というわけで、毎日の人生を優しく送りましょう。
 

山房の海紅   2016/04/18-09:47  No.[969]
 
    《脇句にする工夫》

1)しじまの底に眠るふらここ  無迅
2)畦に沿ひつつチャリを漕ぐ音 うらら
3)舞子もまじる終電の客    つゆ草
4)風が出づれば目立つ青柳   つゆ草

俳諧は前句を正しく理解するという修業。また脇句は発句と時空を揃えたい(打ち添え付け)。発句の時空は夜である。この視点で見ると、出て来た脇句案はみんな翌日の景色のように見えるので落第。そこで時空を夜に戻して海紅が修正したものが上記の四案。こうすれば、どの句も脇句になる。四つとも正解ということ。これも俳諧のイイトコロ。ただ一つの正解を求める教育を信じてきた優等生は、これをしっかり記憶したい。座(会席)の文学バンザイ。
 

山房の海紅   2016/04/18-10:15  No.[970]
 
    《脇句の決定(治定)》

花の香や嵯峨のともし火消ゆる時 蕪村
しじまの底に眠るふらここ    無迅

てことで、脇を「しじまの底」に治定します。治定は決定と同じことばです。なにも治定と古風に気どらなくてもよいのだけれど、学習にはなるので使っておきます。「ふらここ」はブランコで春の遊びのひとつであることは「懐かしくも美しい、日本の俳句」(athomeTIME)の2016年3月号に書いた▼どれもみんな合格なのだけれど、「しじまの底」の句が睦まじい夫婦のように発句との間が穏やかだと思うから▼脇は会席を設けた主人(ホスト)の場所というので、無迅さんが蕪村を主客に迎えて、うらら・つゆ草・海紅がその会席に招待されたという設定。ひぐらし君も誘ったのだが、事情があって欠席。
 

山房の海紅   2016/04/18-10:28  No.[971]
 
    《付句の順番》
脇が付いたので、以後うらら(第3)、つゆ草(第4)、海紅(第5)とすすめていきましょう▼月の定座(リザーブシート)である第5を捌きの海紅が自分で担当するのはものすごく傲慢・横柄・不遜・尊大・うぬぼれっぽいのだけれど、学習だから〈笑って、許して〉▼六句目の担当はまだ決めずにおきます(ひぐらしさんが復帰するかもしれないしネ)▼この四人でゆくとすればうららさんに御願いするのが穏当か。
 

山房の海紅   2016/04/18-10:40  No.[972]
 
    《第3のヒント》

春をもう一句御願いします(理由は後日)▼春でも、晩春がイイネ。発句脇で桜が咲いているのだから、もう春も終わり(虻・蜂・子猫・畦塗り・蛙・蝌蚪・春惜しむ・行く春)だよ▼嵯峨とか植物とか夜とかから離れてね(発句と脇に畫かれているから)▼三つ作ってください。その中から捌きが選びます(捌きはこのくらいエライノダ)▼今日はこれ以上書き込みません。ほかの仕事をしなくっちゃ▼付句担当のうららさんでなくても、「ワカリヤスイ」「ワカリニクイ」「オシャベリ!」など介入してくれると捌きやすい。よろしく。

 

山房の海紅   2016/04/18-11:03  No.[973]
 
    《うららさんへ》

桜を愉しんだ夜も更けて、先刻まで女性が漕いで遊んでいたブランコの揺れも収まっている▼閑かでよい時間が流れていますよね(自画自賛)▼この静寂を抜け出てイイノデスヨ、離れてイイノデスヨ。
 

伊藤無迅   2016/04/18-21:28  No.[974]
 
    脇のご冶定有難うございました。
「脇句は発句と時空を揃えたい(打ち添え付け)」
時空を揃えること、肝に命じたいと思います。
 

宇田川うらら   2016/04/19-00:14  No.[975]
 
    やはり日を越えてしまいました。脳内の余白がゼロ、いやいや余白だらけなのですが書き込むなにものもちっとも浮かばず。発句・脇句とこれだけいい時間が表現されているとどうついていっていいのやら。前句と全く離れてよいのか、どこかやはりついていなければいけないのか・・その辺の感覚がわかりません。というようなわけで結局は大分離れてしまいました。ご指導のほどよろしくお願いいたします。

春深し赤絵の皿は金継ぎで
バス停に虻の羽音を聞きながら
名画座の固い座席や春深し

 

車中の海紅   2016/04/19-09:36  No.[976]
 
    「バス停に」がいいね。下五を「払ひつつ」とすれば、更に情がでると思うがいかが。前句で隠れてしまっていた女性を時間と場所を変えて出した。春はこれで終わりにして、つゆ草さんの七七は雑の句がほしい。五句めで月(秋)を出す都合があるのでネ。季節の言葉がなければなんでもいいよ。バスが行き着いた先などがヒントかな。三つ、遊んでください。

 

酢豚   2016/04/19-10:04  No.[977]
 
    海紅先生へ

質問はしてもいいのでしょうか。

うららさんの「名画座の固い座席や春深し」が落選した理由を教えていただけるとうれしいのですが・・。




 

つゆ草   2016/04/19-14:40  No.[978]
 
    酢豚さん、割り込んですみません。今外出先から戻りこれを拝見しております。無迅さんの「しじまの底に眠るふらここ」深みのある良い脇ですね。

  バス停に虻の羽音を払いつつ  うらら

香りと音が出たので、目線でゆきたいと思います。

  風の如くにジョギング過ぎり
  車椅子押す老老介護
  迎賓館の門庭広し

二つはバス停の傍で、後はバスの着いた先でこの時期開放されるという迎賓館を詠みました。

酢豚さんの問いの答え、私も知りたいと思います。忘れない内にと割り込み御免なさい。 
 

研究室の海紅   2016/04/19-19:08  No.[979]
 
    酢豚さんの質問に答えます。名画座の句ももちろん合格です。但し、切字「や」と詠嘆にすると発句の格になりますので、「や」は添削して作り直すことになります。発句と平句の違いの一つは切字のあるなしによる。もうひとつ、映画館という空間に閉じこもるより、バス停の方が開放的で、次がつけやすいと思う。そんな事を考えました。
 

研究室の海紅   2016/04/19-19:13  No.[980]
 
    「風の如く」はバスの中からみえる景でやや近い、「車椅子」は重たい素材で表六句に避けたい。そこで、「迎賓館」をいただきます。但し「迎賓館の広き門庭」と体言でとめて余韻を作り出すことにします。ではまた。
 

酢豚   2016/04/19-22:57  No.[981]
 
    海紅先生
ありがとうございました。よくわかりました。

つゆ草様
お心づかい感謝です。
 

宇田川うらら   2016/04/20-00:00  No.[982]
 
    海紅先生
推敲とご治定ありがとうございました。
発句と脇句の時空を同じくすること、平句に「や」は使わないこと、表六句に重い素材は避けることを学びました。また、次の人がつけやすいようにする心遣いも大切なのですね。

酢豚様
おかげ様で先生のご説明をいただけてラッキーでした。感謝いたします。
 

つゆ草   2016/04/20-05:44  No.[983]
 
    迎賓館・・の句をご治定有り難うございました。又酢豚さんの問いにより、一つ学ぶ事が出来ました。表6句の持つ品格はとても大事なのですね。

実は昨日の先生の朝日カルチャーでも、追善連句のご講義に少し触れ、連句がより身近なものとして私の中に浸透した気がしました。いつもの様に分かり易い、すばらしいご講義でした。それにしても先生もうららさんも多忙なのですね。せっかちの私は少し反省です。
 

車中の海紅   2016/04/20-08:54  No.[984]
 
    1)残業と決まる仕出し屋寝待ち月
2)月明かりガラスの靴を公開す
3)窓に月みえて手触りよきシーツ

つゆ草さんへ
月の出しやすい句をありがとう。

うららさんへ
上から好きな月の句を選び、六句めの短句をお願い。
 

山房の海紅   2016/04/20-20:11  No.[985]
 
    急がないから、三つ御願いしますネ。
 

宇田川うらら   2016/04/20-21:30  No.[986]
 
    外出をしていて、たった今見ました。
そして驚きました。私が選んでよろしいのですか?
これは大変。お言葉に甘えお時間を頂戴いたします。
 

宇田川うらら   2016/04/21-01:27  No.[987]
 
    どの句を選んで良いのやら・・まずそこから躓いてしまいました。悩んだ挙句、まだ触覚が出ていなかったので

 窓に月みえて手触りよきシーツ

を選ばせていただきました。

そして第六句。脇句とはちがうので時空は前句とは同じくなくても良いのでしょうか。どうしても<眠り>に関わることしか思い浮かびませんでした。

夢の中にて拾ふ団栗
ラジヲ教へる相撲の結果
本を読みつつ林檎一切れ

よろしくお願いいたします。



 

研究室の海紅   2016/04/21-13:02  No.[988]
 
    《どうしても<眠り>に関わることしか……》

「秋の句」と誘導しなかったのに、ちゃんと団栗・相撲・林檎と秋の季題でまとめてくださり、さすがと思っています。

 さてよい教材が提供されました。前句が室内、シーツなので、「眠り」から離れられないという点です。それでは確かに打ち添え(発句と脇ではよいのですが)のように近くなって、前句と付句の作者が違うという、連歌俳諧の長所を生かした遊びにならない。「夢」の世界も超現実だから、折りが替わるまで、出来れば使いたくない。
 ではもう少し離れるにはどうすればよいか。わたしは第二場でなく、第三場を作り出してはとうかと思います。つまり夢を見たその次のシーンを考えるということです。もうひとつは、前句が室内なので、音とか景色とかを手掛かりに窓の外に心を移すということです。1)団栗を拾う人たちがみえる、2)相撲の歓声が聞こえてくるとか、3)林檎狩りの様子とか。3限が始まっちゃったので後刻また。
 

宇田川うらら   2016/04/22-00:44  No.[989]
 
    ご指導ありがとうございます。
発句・脇句以外はむしろ離れる方が良いということですね。もちろん離れすぎず少しばかり前句の匂いを残して。難しいものですね。
続きをお待ちしてまた考えてみます。
 

根本文子   2016/04/22-09:26  No.[990]
 
    連句初心者として、楽しく学ばせていただいてます。特に興味深いのは、連衆が必ず3句を考えて提出し、先生(捌き)がその中から一句を選んで決定する、その過程が見える事です。安居さんの質問にもありましたように、何故AよりBがよいのか、それがもっとも知りたい、学びたいことですので、この画期的とも言える方法が有り難いです。発句と脇の「時空を揃える」、鮮やかなスタートが印象的です。
 

山房の海紅   2016/04/22-10:05  No.[991]
 
     その後の仕事に手間取って、日が替わってしまいました。「御指導」とか言われると肩がこります。それほどの捌きではありません。連衆は対等ですのでお気兼ねなく。

 さて、せっかくの三案ですから、それを素材に「りんご狩りへの点呼始まる」として初折のオモテを終えさせていただきます。時に捌きはこんな御節介もいたします。悪しからず。

 

大江月子   2016/04/22-10:16  No.[992]
 
    根本さんが書き込まれたので、私も書き込ませていただこうと勇気を奮い立たせました。一連の白山連句会の興業をずっと拝見し、先生の連句とは?のお話しや、連句の決まりを繰り返し伺い、理屈としては次第に連句の姿が見えてきたかなと思っています。しかし、同時に私は連句を学ぶとか楽しむという感覚から次第に遠ざかっていくような気がしています。また連衆と場を囲むという和気あいあいの世界を私には共有することができないのではないか、近づきたいのに近づけないという思いがつのります。今回の3句出してというやりかたに、それなら私も一句と必ず考えてみますが、季の運びなどの理解はしても、そこにはもっと待っている言葉があるのではないかと考えてしまい、とうてい連句を捲くという座の時間にはついて行けない気がします。歳を取って言葉が私から遠くなっていくという恐れの繰り言かもしれません。もっと許し合うとか?。ちょっと水を差す発言でしたでしょうか。お許し下さい。
 

山房の海紅   2016/04/22-10:47  No.[993]
 
      「花の香や」脇起し歌仙
花の香や嵯峨のともし火消ゆる時  蕪村
しじまの底に眠るふらここ     無迅
バス停に虻の羽音を払ひつつ   うらら
迎賓館の広き門庭        つゆ草
窓に月みえて手触りよきシーツ   海紅
りんご狩りへの点呼始まる    うらら

→初オモテはこんなふうになりました。春秋は夏冬に比して心地よく、喜ばしい季節だから三句ぐらいは続けたいねとでも理解しておきましょう。式目(規定)は暗黙の了解でありまして必ず守らねばいけないということではありません。内容の上で譲れない展開が生まれれば、式目の方に御遠慮願うということもあります▼過日の朝日カルチャーでで、蕪村生誕300年のお話をし、芭蕉会議のこの企画のことを紹介しましたら、講座終了後に聴講者で連歌をたしなむNさんが、第3の末尾は「払ひゐて」にしてはどうかとメモをくれて、四句目の四案を示されました。せっかくですから、以下に紹介します。

  1)手をつなぎゆく母子仲良し
  2)レジ袋には特売の米
  3)博物館をスマホ検索
  4)バッグの中でスマホ震える

 即興パワーはさすがです。もしこれらのどれかを採用していたら、「窓に月」も「りんご狩り」も生まれなかったでしょう。前句を受けて次が決定されてゆく。後戻りできないわたしたちの人生という大袈裟なことを、ふと思います。だからこそ前句を有難く受け取り存分に付句を愉しみたいものです。
 なお、第3の「て」留め提案は、連歌以来のヒントに、発句と脇との世界から転換をはかるために、「に・て・にて・もなし・らん」で留めた方がよいという教えがあるからです。これらにはよく分らない点も含まれていますから、しばられる必要はないでしょう。「つつ」にも次の付句を待つ姿勢が出ていますから。
 

宇田川うらら   2016/04/22-11:02  No.[994]
 
    海紅先生

ありがとうございました。音と林檎の赤も想像されてこれから先の楽しい未来も見えます。「つけやすくする」とは次の方へその先の時間を提供することでもあるのでしょうか。

 

山房の海紅   2016/04/22-11:46  No.[995]
 
    《根本さんへ》
三案を出していただくという方法は珍しいものではありません。この歌仙で、できるだけ連句の空気や呼吸を学んでほしくてこれを採用しました。

《月子さんへ》
水を差すなどということはありません。正岡子規みたいな疑問で、とても大切なことを言おうとしている気がします。子規の基本的な誤解は、他人の作った前句に影響されて自己表現ができるはずはない、という点にあると思います。つまり韻文における「自己表現」とは何かということですが、これは「物事に関わる心の真実(誰もが共有できる景情)」を追求してきた『万葉集』から『おらが春』までの時代と、エゴ(個別性)の探求に近代を見ようとした透谷・鉄幹・子規らとでは違っているように思います。しかし、それは透谷らの思慮の不足による、つまり西欧を誤解した結果であって、「やまとうたは、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける」(古今仮名序)という点で、日本も西欧もちっとも異なっていなかったというのがボクの歴史観です。講義ではこの前提を繰り返し話しているのですが、この場にはややウルサイので別の機会にさせてください。
 

山房の海紅   2016/04/22-12:02  No.[996]
 
    《初ウラとは》
 初折のウラへと参ります。大人しめな序章を無事終えましたので、蕪村先生も連衆のつゆ草、うらら、海紅さんも膝を崩してください。ほれ、ホストの無迅さんが熱燗と焼いた鰯を出して、もてなしてくれます。付合という文化で、来し方、行く末など語り合おうではありませんか。見たまま、感じたままを言うということほどむずかしいという意見もあります。展開はあくまで自由ですが、自由ほど不自由なものはないというわけです。そこで、長い歴史の中で、この初ウラには恋が詠まれたり、月や花の句が登場するということだけ申し上げておきます。そのタイミングは捌きの海紅が御案内します。まだ先が長いので、どうぞ度を過ごされませんように。

 

山房の海紅   2016/04/22-12:25  No.[997]
 
    《付け順の変更》
 長句も短句も愉しみ、前句の作者も入れ替えて遊ぶために、付け順を以下のように変更します。

7句目:無迅(長句)。室内から離れて秋の句をもう一つ。晩秋がよいが、林檎狩りの時期以後なら、晩秋の季題でなくてもよい。

8句目:海紅(短句)。秋から離れてよい。
9句目:つゆ草(長句)
10句目:うらら(短句)
11句目:海紅(長句)
12句目:無迅(短句)
 

伊藤無迅   2016/04/22-23:04  No.[998]
 
    それでは、野外光景の付け句を3句考えてみました。

窓に月みえて手触りよきシーツ   海紅
 りんご狩りへの点呼始まる    うらら

小走りに手負猪(ておいじし)追ふ老ハンター  無迅
やや寒の岨道いそぐ登山女子         無迅
自転車の駐在胸に赤い羽根          無迅
 

山房の海紅   2016/04/24-09:56  No.[999]
 
    A小走りに手負猪追ふ老ハンター  無迅
Bやや寒の岨道いそぐ登山女子   無迅
C自転車の駐在胸に赤い羽根    無迅

 三句とも前句のりんご狩りで目にした一景でしょうか。Aはやや傷ましい印象、Bは飾り気のなさが魅力の女性アルピニスト、Cからはりんご狩りを見守る人のよさそうなお巡りさんを想像しました。
 Cをいただきます。初折ウラの初句ですので、次の展開がしやすいように、明るいもの、りんご狩りの地方色から一番離れ易いものと判断したからです。赤い羽根は晩秋から初冬ですね。ここは晩秋ということになります。次は海紅の短句ですね。雑の句を作りました。以下の三句から、つゆ草さんが好きなものを選んで、それに雑の長句(上句)を、やはり三案御願いします。海紅の前句に恋の匂いがあれば、恋の句にするのも面白いでしょう。

A弁当届く昼のサイレン
B帆をスルスルと風を待つらし
C下校の列にまじるブロンド

 

つゆ草   2016/04/24-11:52  No.[1000]
 
    先程からここが離れられずに金縛り状態です。先生の三句から好きなものを選んで、という難しさ、うららさんも大変だったと思います。

 自転車の駐在胸に赤い羽根  無迅
 帆をスルスルと風を待つらし  海紅

駐在さんの自転車が海岸沿いを走ったと想像して、彼方を見たらヨットの帆が見えたという設定です。その海を見下ろしながら、ラウンジで仲良くお食事をしてる二人を詠みまして、

  誕生日祝うラウンジレストラン
その海岸沿いにて
  約束の海外旅行汀にて
  夕暮れてギター奏でし好青年
恋を詠んでみました。
 

つゆ草   2016/04/24-13:29  No.[1001]
 
    また、せっかちの悪い癖が出て慌てて作ってしまいました。もっと熟思して余韻を持たせた方が良いのでしょうか? でも何だか想像出来るこの時空が楽しくて、少しわくわくしてきました。
 

山房の海紅   2016/04/24-17:25  No.[1002]
 
     このあたりは恋の出る場所と心得ての挑戦に感謝。でも恋の句は難しいでしょう。一人称の詩の時代を生きていると、自分のことのように思われて恥ずかしいものです。でも連句は想像力を試す詩歌です。恋と無縁の生涯を送ったかに見える芭蕉が恋句の名手であったのはそのためです。

 「ギター奏でし」句をいただきます。ただ、はっきりと恋の句にするために推敲しました。連句を捌きとの共同制作と考えて御諒解ください。

  「花の香や」脇起し歌仙
1花の香や嵯峨のともし火消ゆる時  蕪村
2しじまの底に眠るふらここ     無迅
3バス停に虻の羽音を払ひつつ   うらら
4迎賓館の広き門庭        つゆ草
5窓に月みえて手触りよきシーツ   海紅
6りんご狩りへの点呼始まる    うらら
7自転車の駐在胸に赤い羽根     無迅
8帆をスルスルと風を待つらし    海紅
9抱かれてギター奏でしその腕に  つゆ草

 次のうららさんは、この恋を一句で終わらせず、少し離れた恋、つまり仕合わせそうな前句を壊して失恋へ。または時間をたくさん経過させて、年配の仲良き夫婦とかでもいいですね。大事なことは、前句を大切にして、大胆に遊ぶことです。急がないので、三句御願いします。

 

つゆ草   2016/04/24-18:58  No.[1003]
 
    何だか胸ときめく恋の句に仕上げて下さり、とっても素敵になりました。有り難う御座います。
 

山房の海紅   2016/04/24-20:36  No.[1004]
 
    ひぐらしさんの経過は如何でしょうね。お見舞い申し上げます。
 

宇田川うらら   2016/04/25-00:43  No.[1005]
 
    ひぐらしさん、ご快復され座にお帰りになる日をお待ちしております。

恋句の付け句ですが、無季で良いのでしょうか?
疑問符ながら三句創ってみました。

一句目は別れの情景を。
二句目は前句の人物をミュージシャンと見立てました。
三句目は失恋騒動を乗り越えて結ばれた二人です。

帆をスルスルと風を待つらし    海紅
抱かれてギター奏でしその腕に  つゆ草


金糸雀連れて遠くの街へ
会見で述ぶ破局騒動
父似と母似子宝二人
 

山房の海紅   2016/04/25-05:09  No.[1006]
 
    A金糸雀連れて遠くの街へ→カナリア連れて出てゆきし妻
B会見で述ぶ破局騒動→るるとブログに破局騒動
C父似と母似子宝二人→すぐに母似とわかる流し目

 うまく説明できないのですが、さらに焦点を絞り込む目的で→以降のように再案を作ってみました。姿情の姿(シ)を整えるためです。原案より表現のタルミがとれていることに気が付いてほしいという教師根性です。

 それで、C「すぐに母似とわかる流し目」に決めさせてください。男好き、女好きの遺伝(血筋・本性)というような人の世の一面をえぐってみたつもり。捌きがこんなふうに直してしまう点を、連句嫌いの理由にする人もいます。まあ学習だと思っておゆるしください。

8帆をスルスルと風を待つらし    海紅
9抱かれてギター奏でしその腕に  つゆ草
10すぐに母似とわかる流し目    うらら    

 

山房の海紅   2016/04/25-05:51  No.[1007]
 
    A言ひだすと後へ引かないお人柄
B案の定国を危ふくする予算
C日の出づる国より卒寿祝はれて

 月の出所まであと数句。そこで、もう一句か二句を雑で行きます。無迅さんには上記の三句から一句を選んでいただき、それに雑の短句案を三つお考えください。
 

宇田川うらら   2016/04/25-08:51  No.[1008]
 
    おはようございます。先生の投稿時間の早いこと。
宵っ張りには驚きの時間です。

ぼんやりした焦点の定まらない抽象絵画を具象絵画に描きなおしていただいた心地です。行く先が鮮明になり動きが感じられます。このように付けていくのですね。ありがとうございました。
 

千年   2016/04/25-10:19  No.[1009]
 
    海紅先生はじめ連衆の皆様それにギャラリーの方々のコメントが生きて動いている俳諧の連歌の輪郭を見せてくれるようで、いいですね。次に付ける人が前句を選ぶという方式も、ありですよね。文韻ではこの方法が有効ですね。月子さんの「・・そこにはもっと待っている言葉があるのではないか」は、巻く世界を創造するこの文芸の醍醐味を言い当てていて、その言葉は座のうねりのなかから醸しだされてくるはずです。酒蔵の仕事を終えた千年より


 襟に高尾が片袖をとく はせを
あだ人と樽を棺に呑ほさん 重五
 

大江月子   2016/04/25-12:56  No.[1010]
 
    千年さんご登場うれしいです!

   襟に高尾が片袖をとく はせを
  あだ人と樽を棺に呑ほさん 重五

そうそう言葉としてこういうの!
連句はやはりその時代を映し出さなくてはいけないのでしょうかね。……と月子の悩みの一つです。

 

伊藤無迅   2016/04/25-23:46  No.[1011]
 
    終日外出していて遅くなりました。
   10すぐに母似とわかる流し目    うらら
先生の3句の中からCを選びました。
   C日の出づる国より卒寿祝はれて  海紅
母似、流し眼から某大国の女王を連想しました。
そこで以下の雑3句を付けます。
   A自称保守派が三人揃ひ
   B漁夫の利を得る放蕩息子
   Cテレビを消して宿題片す
前2句はいずれも某大国からの連想、3句めは卆寿祝をテレビで観ている様子です。
宜しくお願いします。
 

山房の海紅   2016/04/26-05:52  No.[1012]
 
    《整理します》
11句目の初五を「箸使ふ」と直します。14句目の月が出にくいといけないからです。12句目に「自称保守派」をいただきます(数詞を入れると、次の付句でそれに応えなきゃいけない気がして修正)。「漁夫の利」も面白いのでやや加工して13句目にいただきます。その結果は以下の通り。つゆ草さん月の短句を御願いします。以下、付け順は下記の通り。

 「花の香や」脇起し歌仙
1花の香や嵯峨のともし火消ゆる時  蕪村
2しじまの底に眠るふらここ     無迅
3バス停に虻の羽音を払ひつつ   うらら
4迎賓館の広き門庭        つゆ草
5窓に月みえて手触りよきシーツ   海紅
6りんご狩りへの点呼始まる    うらら
7自転車の駐在胸に赤い羽根     無迅
8帆をスルスルと風を待つらし    海紅
9抱かれてギター奏でしその腕に  つゆ草
10すぐに母似とわかる流し目    うらら
11箸使ふ国より卒寿祝はれて     海紅
12自称保守派が揃ふテーブル     無迅
13漁夫の利に泣く窓の灯と秋風と   無迅
14つゆ草(月・短句)
15海紅(秋・長句)
16うらら(雑・短句)
17無迅(花・長句)
18つゆ草(春・短句)
 

つゆ草   2016/04/26-06:01  No.[1013]
 
    お早うございます。済みません以前からの予定で今からバスツアーに出掛けますので今晩遅くになると思います。バスの中で短句考えてみます。宜しくお願い致します。
 

山房の海紅   2016/04/26-06:08  No.[1014]
 
    どうぞごゆるりと。
 

つゆ草   2016/04/26-19:40  No.[1015]
 
    足利フラワーパークの藤の花は満開でとても素敵でした。予定より早い帰宅となりホッとしています。

月の短句ですよね。難しいと思いつつ、バスの移動の中でいろいろ考えました。

  夜遊びの猫照らす月光
  諸行無常の月影淡く
  法螺貝響く夕月の空   

唐突に作りましたので、前句に続くかが心配です。
 

伊藤無迅   2016/04/27-16:43  No.[1016]
 
    カルテモさんが復旧してくれました。
それから、ひぐらしさんから先ほどメールがありました。本日退院したそうです。
連句の方は、どうぞ進めてくださいとの伝言がありました。
 

山房の海紅   2016/04/29-15:21  No.[1017]
 
    この座にも春の嵐が吹いて、しばらく中断。復旧に感謝。なおひぐらしさん便りもお礼申し上げます。

11箸使ふ国より卒寿祝はれて     海紅
12自称保守派が揃ふテーブル     無迅
13山霧の晴るるに似たり漁夫の利は 無迅
14諸行無常の淡き月影       つゆ草
15ちちろ鳴くSOSと椅子並べ      海紅

 次の句に月を期待しているのに、13で「窓の灯」を出すのはミスリードです。また「窓」はすでに使われていました。お詫びします。それで漁夫の利(第三者に転がり込む利益)を、山霧の晴れる姿に比喩してみました。これでつゆ草さんの月の句が映えるはずです。

 月の句は「諸行無常の月影淡く」をいただきます。但し4音(月影)+3音(淡く)、つまり三音で結ぶと座りが悪いので3+4(淡き月影)に直します。「夜遊びの猫」は恋に戻りそうなので除外、「法螺貝」も付きますが、前句の「山霧」に隣接するので「諸行無常」に落ち着きました。次の海紅の付句は時事に転じて、熊本地震を思い合わせました。あらためてお見舞い申し上げます。 
ました。
 

山房の海紅   2016/04/29-15:31  No.[1018]
 
    うららさんの無季の句を挟んで、無迅さんの花の句を待ち、つゆ草さんに花の句(前句)に添える脇役を頼んで半歌仙了と参ります。三案をいただければ教材になってありがたい。どうぞ気楽に。
 

つゆ草   2016/04/29-15:52  No.[1019]
 
    諸行無常の月影淡く、ご治定有り難う御座いました。先生のお身体の調子が悪いのかと、心配していましたが、無事再開できて良かったと思います。ひぐらしさんもどうぞお大事になさって下さい。
 

つゆ草   2016/04/30-09:33  No.[1020]
 
    七七の連句の短歌の付け方として、4音(月影)+3音(淡き)よりも、3音+4音の方が座りが良いとの添削、勉強になりました。確かに、「諸行無常の淡き月影」の方が落ち着きがあると納得です。もう少しで半歌仙終了との事、何だか嬉しいです。
 

車中の海紅   2016/04/30-17:35  No.[1021]
 
    御納得嬉し。ボクはこういう点が俳句の勉強にもなると思っているのです。
 

宇田川うらら   2016/04/30-23:15  No.[1022]
 
    大変遅くなりました。時間をいただきすぎちゃいまして申し訳ありません。
連句開始から何度目かの順番ですが、その時にはわかったつもりになりますが、いざまた番が回ってくると?マークが一杯。前句と「付ける」時の距離感がイマイチまだわかっていないです。
でも、エンターキー押しちゃいます!

辛子蓮根入荷のチラシ
アンテナショップの列のとぎれず
学校再開あふるる笑顔

 

山房の海紅   2016/05/02-09:00  No.[1023]
 
     忙シキ日常ハ皆サン同ジ。ボクモ今年ノ連休ハ一日ノ休日モナク、マコトニアリガタキ仕合ワセ。
 素直ナ「学校再開あふるる笑顔」ヲイタダキマス。但シ、3+4ト組ミカエテ。無迅サン、今年ノ花ノ記憶ヲ三句、御願イシマス。

14諸行無常の淡き月影       つゆ草
15ちちろ鳴くSOSと椅子並べ      海紅
16笑顔の戻る学校再開       うらら


 

宇田川うらら   2016/05/02-10:27  No.[1024]
 
    おはようございます。
お休みもなくお忙しくしていらっしゃるとのこと。坐骨神経痛に響かなければよろしいですが。私もほんの少々多用にしていますが、これを仕合せと思いまたもっと幸せになっちゃおうと思います。といっても<忙>の内容が先生とは大違いですけれど。


学校句を3+4になおしていただきありがとうございました。投稿キーを押した後「!!」でした。以後再度心して。
 

伊藤無迅   2016/05/03-00:49  No.[1025]
 
    遅くなりました。
笑顔、戻る、学校を連想して3句作りました。

15ちちろ鳴くSOSと椅子並べ      海紅
16笑顔の戻る学校再開       うらら

A 遠目にも自慢の枝垂れ我が生家
B 朝桜背後に神のいるような
C 里の子を走り廻らす飛花落花

宜しくお願いします。
 

山房の海紅   2016/05/03-10:20  No.[1026]
 
     16句を「花前(花の句の前句)」といい、バレーボールのトス(toss)のように花の句を出しやすいような句を据えます。その意味で、うららさんの前句はとてもよいということを覚えましょう。

 この上出来なトスに感謝しつつ、Bをいただきます。A「生家」、C「里の子」は前句や打越にやや近いと思うからです。生家の次、里の子の次を連想すると適度に離れることが出来ます。それをB「神」とみなしました。今まで神(神祇)の話題が出ていないと思うのでちょうどよい。

 花の句の「花」の意味は「無迅さんに花を持たせる」という心、つまり賞翫(尊重すること)の総称で、理論上は春に限らず、夏・秋・冬になる可能性もあります(通常は春の扱い)。面倒くさくゴメンナサイネ。
 

山房の海紅   2016/05/03-10:33  No.[1027]
 
    15ちちろ鳴くSOSと椅子並べ      海紅
16笑顔の戻る学校再開        うらら
17花あれば必ずそこに神在す     無迅

 どうでしょうか、打越の悲劇から適度に離れ、前句の笑顔に響き合う句になったのではないでしょうか。

 つゆ草さんは椅子・学校など人間くさい世界を離れて、時節(短句)の三案に挑戦してくれませんか。遊び心で、軽い気持ちで。「在す」はイマスと読みます。敬語です。
 

つゆ草   2016/05/03-16:10  No.[1028]
 
    此処を開くのが遅くなり、時間のロスをしてしまいました。人間臭い世界を離れて・・は想像力の足りない私には少々難しいのですが、空に視点を持っていきました。

  観覧車より俯瞰する春
  春を惜みて気球への旅
  春の夜空に銀河鉄道

こんなものしか浮かびませんでした。先生、宜しくお願い致します。
 

つゆ草   2016/05/03-18:59  No.[1029]
 
    観覧車は人間臭いので、次の変更します。

  春風受けてコンドルの舞い
 

車中の海紅   2016/05/03-21:45  No.[1030]
 
    観覧車、気球 、銀河鉄道も人間世界なのでヤメ。インカの帝王の生まれ変わりコンドルをいただきましょう。神っぽい前句に悪くないとみました。但し、春の終わりにしたいので、次のようにさせてください。

春を見送るコンドルの舞ひ つゆ草





 

山房の海紅   2016/05/03-23:16  No.[1031]
 
    半歌仙が以下の通り仕上がりました。

 「花の香や」脇起し歌仙
1花の香や嵯峨のともし火消ゆる時  蕪村
2しじまの底に眠るふらここ     無迅
3バス停に虻の羽音を払ひつつ   うらら
4迎賓館の広き門庭        つゆ草
5窓に月みえて手触りよきシーツ   海紅
6りんご狩りへの点呼始まる    うらら
7自転車の駐在胸に赤い羽根     無迅
8帆をスルスルと風を待つらし    海紅
9抱かれてギター奏でしその腕に  つゆ草
10すぐに母似とわかる流し目    うらら
11箸使ふ国より卒寿祝はれて     海紅
12自称保守派が揃ふテーブル     無迅
13山霧の晴るるに似たり漁夫の利は 無迅
14諸行無常の淡き月影       つゆ草
15ちちろ鳴くSOSと椅子並べ      海紅
16笑顔の戻る学校再開        うらら
17花あれば必ずそこに神在す     無迅
18春を見送るコンドルの舞      つゆ草

 

つゆ草   2016/05/03-23:18  No.[1032]
 
    コンドルの句、添削されてのご治定有り難う御座いました。これで安心して眠りにつく事が出来ます。おやすみなさい。
 

山房の海紅   2016/05/04-00:08  No.[1033]
 
    《二花三月》
 大切な約束を忘れていました。二花三月です。発句が「花」だったので、もう一つの「花」名残の折のウラに取っておき、初折の花の定座は他季でしのぐと教わったのでした。

 そこで、勝手ながら17、18を修正します。無迅さん、つゆ草さん、またミスリードです。ごめんなさい。

16笑顔の戻る学校再開        うらら
17神さびて岩も畑も雪催ひ       無迅
18焚き火こはがるコンドルの舞      つゆ草
 

山房の海紅   2016/05/04-00:21  No.[1034]
 
    《名残のオモテ》
 ちょっと躓きましたが、以下のように展開を試みます。うららさんよろしく。

19うらら(冬)←雑でもよいのですが、折の初め(初句)を無季で始めたくないので。
20つゆ草(雑)
21海紅(雑か夏)
22無迅(夏)
 

つゆ草   2016/05/04-09:26  No.[1035]
 
    発句に花が出ていたので、私の中では次の花はどこに入るのだろう・・という素朴な疑問が始まってすぐありましたが、先生の解説で理解しました。連句には決まり事があって良く分からない所以は、こんなところにもあります。何とかコンドルを生かして頂き、恐縮しております。

このお勉強連句は、半歌仙で終わりかと思っていましたら、まだ名残のオモテがあるのですね。瑛子さんに、「頑張らずに、楽しんで・・」とアドバイスを受けていたのですが、やはり頑張るしかありません。豊かな感性が欲しいつゆ草です。
 

宇田川うらら   2016/05/05-07:39  No.[1036]
 
    おはようございます。
大変大変遅くなり失礼しております。

1 冬銀河幼なじみの文届く
2 路地裏の鮟鱇鍋のうまき店
3 冬服に古代模様をあしらひて

コンドルと火からイメージしました。
1は「こはがる」と「空」  2は「火」と「ワイルドな顔」 3は「民俗学」

何か感性度UPの妙薬ありますでしょうか。



 

宇田川うらら   2016/05/05-07:44  No.[1037]
 
    もしかしたら3は打越ですね。またまた失礼しました。
 

宇田川うらら   2016/05/05-08:02  No.[1038]
 
    3 冬の虹高層ビルの隙間から

に替えます。お手数をおかけします。
 

車中の海紅   2016/05/05-09:33  No.[1039]
 
    コンドルから南米を連想し、コンドルからはちょっと離れて、それでうらら三案をみつめます。幼馴染は恋へ流れる可能性を持ち、古代模様はご指摘のように、神さびに障りそう、高層ビルは離れ過ぎ、などと考えつつ「鮟鱇鍋」を前句の景色に馴染ませる努力をします。結果は次の通りです。

移民宿鮟鱇鍋を受け継いで うらら
 

車中の海紅   2016/05/05-09:41  No.[1040]
 
    南米移民の日本人一家の一コマとしたのですが、付合の知的な遊びの面白さに、興味を深めていただければ幸い。
 

研究室の海紅   2016/05/05-12:45  No.[1041]
 
    《感性度UPの妙薬》

これはなかなかないとしか言いようがない。このケースに限れば「受け継ぐ」で抒情を出したつもり。

16笑顔の戻る学校再開        うらら
17神さびて岩も畑も雪催ひ       無迅
18焚き火こはがるコンドルの舞    つゆ草
19移民宿鮟鱇鍋を受け継いで      うらら

つゆ草さんへ
前句が移民宿なので、なにか生活の匂いのする短句をお願いします。
 

つゆ草   2016/05/05-16:14  No.[1042]
 
    生活の匂い・・、移民宿・・、ウーン、家族構成に、焦点を当て、又鮟鱇鍋にあう焼き物から故郷に信楽焼があると設定して、次を考えました。続くと嬉しいのですが。

  英語日本語飛び交う檜孫
  信楽焼の大皿小皿
  長老唄う民謡の声

民宿に少し付き過ぎの感もあります。
 

つゆ草   2016/05/05-16:38  No.[1043]
 
    まだお酒が出てなかったので、より生活感を出す為長老の句を次に替えます。

  長老作るどぶろくの味
 

宇田川うらら   2016/05/05-20:49  No.[1044]
 
    割り込み失礼します。

「鮟鱇鍋」を美味しくお料理していただいてありがとうございました。そういえば<移民>・・そこに想像がいたりませんでした。我が世界は狭いと痛感いたしました。

妙薬なき感性度UP。前句を理解し味わうことから生まれてくるものということでしょうか。


 

山房の海紅   2016/05/05-22:03  No.[1045]
 
    つゆ草さんおみごとです。「長老のどぶろく」をいただきます。

16笑顔の戻る学校再開        うらら
17神さびて岩も畑も雪催ひ       無迅
18焚き火こはがるコンドルの舞    つゆ草
19移民宿鮟鱇鍋を受け継いで      うらら
20長老秘蔵のどぶろくが出る     つゆ草

 無迅さん、以下から付句を一句選んで、次に夏の句を案じてください。

21案
Aふた言めには薮医者とののしりて
B休診の札が出てゐる診療所
C鬘から白髪が見えてあはれなり


ちょっと修正しました。


 

 

つゆ草   2016/05/05-22:26  No.[1046]
 
    良かった、おみごとなど言われてしまうと、すっかり舞い上がってしまいます。でも、ご治定有り難う御座いました。
 

伊藤   2016/05/06-12:29  No.[1047]
 
    では、Bを選ばせて戴き、

B休診の札が出てゐる診療所

飲みすぎた藪医者は、やっと二日酔いから覚醒。

A出戻娘曝書世話やく
B甚平などは誰が着るかと
C尻をはしょりて追ふ山椒魚

 

車中の海紅   2016/05/07-15:59  No.[1048]
 
    休診にして医者が遊ぶ姿に山椒魚が一番面白いと思いました。

20長老秘蔵のどぶろくが出る つゆ草
21休診の札が出ている診療所 海紅
22尻をはしよりて山椒魚追ふ 無迅

 

車中の海紅   2016/05/07-16:20  No.[1049]
 
    23:つゆ草(長句、雑でも、夏をもう一句でも、恋が匂ってもよい)
24:うらら(短句、雑、前句次第で恋も)
25:無迅(長句、前句次第ですね)
26:海紅(短句、なりゆきで臨みます)

 

つゆ草   2016/05/07-22:17  No.[1050]
 
    午後から遊びに来た孫と、一つしかないパソコンの争奪戦を争い連句を開いたのですが、次が浮かばず、つくづく想像力の欠如を嘆いています。

先ず、山椒魚が良く分からず、夏の季語にあるらしいのですが、確かその昔、教科書に「山椒魚」が載っていた事を思い出し、井伏鱒二が早稲田大学の時書いた物という事を知りました。それで、昔の仲間から同窓会のお知らせがきたという想像で、

  帰省して同窓会の輪の中に

尻をはしょれてより、夏の祭の衣装を思い浮べ

  気が付けば佃祭の笛太鼓

又、大正生まれの井伏鱒二に拘り人力車を想定し、

  日焼けしたイケメンの曳く人力車

夏の季語を入れて考えてみましたが、全く駄目でした。想像力の欠如です。


また、井伏鱒二が大正生まれと知り、
 

山房の海紅   2016/05/08-15:12  No.[1051]
 
    《近からず、遠からず》

 お待たせしました。山椒魚を探しまわる童心の医者には同窓会・佃祭り・人力車はやや遠いので、つゆ草さんのコメントにあるお孫さんを登場させましょう。童心→孫というわけです。その孫も「山椒魚捕りに加わった」というふうに詠むと近すぎなので、午後三時のお茶の席を出してみました。近からず、遠からずという勉強になればよいのですが。

20長老秘蔵のどぶろくが出る    つゆ草
21休診の札が出ている診療所     海紅
22尻をはしよりて山椒魚追ふ     無迅
23日焼した孫を加へて午後の茶に  つゆ草
 

山房の海紅   2016/05/08-15:19  No.[1052]
 
    《夏、冬は二句も続けば十分》

 さて、古式では夏と冬の句は二句も続けば十分とされますのでこのくらいにして、うららさんには雑を御願いしましょうか。孫とか茶飲み話の内容などを〈近からず、遠からず〉という視点で案じてください。
 

山房の海紅   2016/05/08-15:33  No.[1053]
 
    《会釈(あしらひ)について》

 私の好きな会釈(あしらい)について述べます。これは前句の人物の調度・持ちもの・衣類・食べもの・容姿などを想像して、その場を立体的に軽く描くことです。お茶の場にありそうなもの、孫が持っていそうなもの、なんてふうに考えると前句と合わせて素敵な絵柄ができると思います。
 

つゆ草   2016/05/08-16:09  No.[1054]
 
    今外出先から戻りました。やはりちょっと遠かったのですね。でも、添削していただき、ご治定有り難う御座いました。又、「夏と冬の句は二句も続けば十分」という事も知り得ました。近からず遠からず・・易しいようで、なかなか難しいものですね。
 

宇田川うらら   2016/05/08-22:57  No.[1055]
 
    お教えいただいた会釈になっているのかどうか・・。
迷宮から未だ抜けられず。


鈴の音鳴らし子犬喜ぶ
一小節だけ弾くピアノ曲
小さなリュック二つ並んで

よろしくお願いいたします。


 

山房の海紅   2016/05/09-09:51  No.[1056]
 
    A鈴の音鳴らし子犬喜ぶ→膝に子犬の鈴が聞ゆる
B一小節だけ弾くピアノ曲→まだ新しきバイエルの色
C小さなリュック二つ並んで→リュックから出る積木剣玉

会釈は前句の人物(孫)や場にグンと引き寄せる必要がありますので、同じ素材を→以降に作り直してみました。これで少し会釈がわかれば有難いのですが。

 うららさん、ボクの改案三句から一つ選んでください。Bはよくない感じ。AかCかな。よろしく。
 

宇田川うらら   2016/05/09-10:16  No.[1057]
 
    会釈。なんと難しいのでしょう。かなりご丁寧にご説明してくださいましたのに。

<引き寄せ>が足りなかったですね。改定案でグッと孫が近くなりました。

Cリュックから出る積木剣玉

を選ばせていただきます。カラフルな色が浮かび何より楽しそうです。ありがとうございました。


 

山房の海紅   2016/05/09-11:51  No.[1058]
 
    《難しくない会釈》

 いま整形外科から戻りました。
 さて、うららさん、会釈は前句に先生なら白墨、医者なら聴診器、相撲取なら草履なんて具合だから、すぐにコツを覚えます。

20長老秘蔵のどぶろくが出る    つゆ草
21休診の札が出ている診療所     海紅
22尻をはしよりて山椒魚追ふ     無迅
23日焼した孫を加へて午後の茶に  つゆ草
24リュックから出る積木剣玉    うらら

 次の無迅さんは孫から離れ、リュックや積木剣玉とどことなくつながる世界へ。こちらの方が難しいかもネ。29句目に月を出すのが普通なので、まだ秋は避けたい。それで、このあたりに雑を続けてもいいし、季のない恋を詠んで遊ぶなんてことが多いみたい。無迅さん、激しい恋でも御願いしましょうか。病体が出ていないと思うので、病気の句でも面白い。 
 

伊藤無迅   2016/05/09-17:30  No.[1059]
 
    「会釈」と書いて”あしらい”勉強させていただきました。
先生の説明を聞いていると、現代では人を小馬鹿にしたような「軽くあしらう」という言葉ですが、連句では実に当の得た言葉だと思えてきます。

それでは先生の導きに乗り、気のない、おっと「季のない恋」に挑戦したいと思います。

23日焼した孫を加へて午後の茶に  つゆ草
24リュックから出る積木剣玉    うらら

A腕を組みステップ踏みてデズニーシー
B山宿の移り香と知る腕枕
Cトランプで占う想ひきりもなし

Aはストレート過ぎるかなー・・・・・
 

山房の海紅   2016/05/09-20:14  No.[1060]
 
     やはり無迅さんもマジメで、恋の句は苦手なようで、ちっとも「ストレート過ぎ」ません。そこで、不真面目なボクが恋の句を略奪して、以下のように遊びます(ムジンサン、ゴメンナサイ)。

25ジャンケンに負けて許したキスマーク    海紅
26手縫ひのオムツ畳む愉しさ         海紅

 無迅さんは、これに老夫婦(これも恋です)の暮らしなどを案じてみてください。恋は何句続いても許されますので。
 

伊藤無迅   2016/05/09-23:53  No.[1061]
 
    いやー、恋句にオムツとは驚きました!
老老介護の場面でしょうか。

三句ほど

右言へば左と答ふ二人旅
かたわれの終活話に口を出し
床上げの床の下よりパスポート


 

山房の海紅   2016/05/10-01:51  No.[1062]
 
    25 ジャンケンに負けて許したキスマーク  海紅
26 手縫ひオムツを畳む喜び        海紅
27 床上げの床の下よりパスポート   無迅

A(旅体)は前句に馴染みにくく、B(老い)かC(病体)のどちらかと考えてC(病体)をいただくことにします。病が治ったことに加え、「パスポート」に何やら前句を明るくさせる、広がりのようなものを感じるからです。その結果、次の句(28句)もきっと付けやすくなる。

28つゆ草(短句・秋)
29うらら(長句・月の定座)
30海紅(短句・秋)

 つゆ草さんへ、
 植物らしきものが出ていないので、秋の草花なんか如何でしょうか。そうすれば、うららさんの月が美しく出ると思います。
 

つゆ草   2016/05/10-09:40  No.[1063]
 
    「会釈」あしらいという言葉、なるほどと思いました。前句の人の周りをいろいろ想像することにより少し付けやすくなった様な気がします。

そこで、病みあがりの人の目が室内から外に転じたとして、庭に明るい秋の花をみつけて、

  庭のコスモス色をこぼして

又は、お見舞いに頂いた果物がテーブルに、

  籠に山盛り葡萄きらめき

朝床上げをしていると、いずこより、明けがたまで鳴いている虫の声が聞こえ、

  草雲雀の音細く優しく

等、病みあがりの人を包む姿を描いたつもりですが・・。
 

つゆ草   2016/05/10-12:26  No.[1064]
 
    訂正します。やはり月前と言えば、コスモスよりも芒とか萩の花とか女郎花の方が似合いそうなので、

  柱を飾る女郎花の黄

床をあげた和室の柱に掲げた花瓶を想像しました。

   
 

研究室の海紅   2016/05/10-16:05  No.[1065]
 
     「草雲雀」「葡萄」などでもOKですが、恋が終わっているので、色っぽい「女郎花」は避けましょうか。「黄」も月に邪魔かな。そこで「コスモス」をいただきましょう。うららさん、月をお願いします。

26 手縫ひオムツを畳む喜び      海紅
27 床上げの床の下よりパスポート   無迅
28 庭のコスモス色をこぼして    つゆ草

 

つゆ草   2016/05/10-19:09  No.[1066]
 
    そうか・・、黄色は月に邪魔だし、女郎花が色っぽいなで、考えませんでした。大人しい句ばかりで、なかなか、先生の恋の句の様な、目の覚める様な句が浮かびません。

秋一番に咲くコスモスは優しいし元々私の好きな花なので、ご治定嬉しく思いました。有り難うございました。
 

宇田川うらら   2016/05/11-00:22  No.[1067]
 
    ハードルが高すぎてもはや視界からはるか遠く。
でも何とかしなくては。そこでやさし気な前句からその生活ぶりを想像してみました。

月明かり背負つて友の訪ひし
揺り椅子のゆるると月も揺れながら
夕月夜いつのまにやら猫帰る

よろしくお願いいたします。

 

車中の海紅   2016/05/11-09:08  No.[1068]
 
    人事(人間の営み)が続いているので、友とか揺り椅子とか猫などを離れて、人情のない、景物としての月をあげてほしい。ここんな時、ボクは歳時記なんかみないで、古今集、新古今集の秋を読めと勧めてきました。間もなくチリョー、治療!!
 

宇田川うらら   2016/05/11-11:36  No.[1069]
 
    おはようございます。
朝から治療とは難儀なこととお察しいたします。

難儀なお体にまた困らせるような句を出してしまいまして情けないことです。景物としての月だったのですね。
大きくはずしてしまいました!どうぞよしなに捌いていただきたく存じます。今から遅いですが、古今集でも・・・。
 

山房の海紅   2016/05/12-05:55  No.[1070]
 
     うららさんが音を上げたとすれば、それは捌きの未熟による。その責任で29、30を以下のように仕立てます。

29海を出て海に沈める国の月  うらら
30猫も杓子も踊る駅前       海紅

 

山房の海紅   2016/05/12-06:03  No.[1071]
 
    《あと一句です》
 さて、泣いても笑ってもあと一句。名残のウラには花の定座(35)があります。月花の句は独り占めしないという礼儀があるので、まだ定座を担当していない無迅さんに御願いします。さらに、挙句を以下のように作ってしまいましょう。本来連衆に御願いして叶わなかったひぐらしさんを匂わせて遊びました。

31無迅(長句、秋か雑)
32つゆ草(短句、雑)
33うらら(長句、雑)
34海紅(短句、春)
35無迅(花の定座)
36その日暮らしを春のポカポカ  執筆

 

山房の海紅   2016/05/12-06:11  No.[1072]
 
    《進め方》

 名残のウラはゴチャゴチャ言わずにいきます。
 つまり、無迅さんが作った三案の中から、つゆ草さんが一句選んで、それにつゆ草さんが三案を示す。同じようにうららさんが、つゆ草さんの三案から一句選んで、次の三案を示し、ボクがその中から一句選んで、無迅さんの花の句を意識して三案を示すという方法です。
 さて大団円(カタストロフィー)、大喜利であります。完成後に多少の見直しはしますので、どうぞ連想ゲームのつもりで、スムーズに参りましょう。餘程のことがない限り、海紅は口を出さずに愉しみます。
 無迅さんよろしく。
 

伊藤無迅   2016/05/12-12:13  No.[1073]
 
    それでは、駅前の賑わいを想い、その余韻で付けてみました。

29 海を出て海に沈める国の月    うらら
30 猫も杓子も踊る駅前        海紅

A 台風禍スコップ片手に父走る     無迅
B わが狭庭瓢箪あまたぶら下がる    無迅
C 茶柱が二本立ったと大はしゃぎ    無迅

つゆ草さん、よろしくお願いします。

 

つゆ草   2016/05/12-13:19  No.[1074]
 
    午後から出掛けて帰りが少し遅くなるので、今の内に書き込んでおきます。
庭の瓢箪から縁側での昭和の風景を想像しました。

 29海を出て海に沈める国の月  うらら
 30猫も杓子も踊る駅前    海紅
 31わが狭庭瓢箪あまたぶら下がる 無迅

   水墨画にて描く絵手紙
   趣味の三味線トテチンシャンと
   呉盤挟みて父と息子と

付き過ぎの心配もありますが・・。よろしくお願い致します。
 

宇田川うらら   2016/05/13-00:17  No.[1075]
 
    海紅先生、「月」の句を美しく変身させていただきありがとうございました。といいますか、うららの名前ではなんだかもったいないことです。よろしいのでしょうか。

懇切丁寧なご説明をなかなか理解できない不肖者ですが、ついてゆきます。最後まで!!アララ、もうこれで出番が終わったようでした。。。

30 猫も杓子も踊る駅前    海紅
31 わが狭庭瓢箪あまたぶら下がる 無迅
32 碁盤挟みて父と息子と   つゆ草

ある家族のオールキャストを想像してみました。
娘は就活中、息子は転勤、母同窓会

   小走りす就活女子のローヒール
   転勤は時計台ある北の街
   夕食のチキンカレーは中辛で

よろしくお願いいたします。






 

つゆ草   2016/05/13-06:48  No.[1076]
 
    うららさん、碁盤の句を選んで下さり有り難う御座いました。しかも、碁の字の誤りまで直して下さり、あわてていました。もうすぐ終了と思うと、何だか胸がドキドキしてきます。
 

宇田川うらら   2016/05/13-10:23  No.[1077]
 
    つゆ草さん、何かほのぼのとした碁盤の句を選ばせていただきました。どれを選ぶかによってこの先の流れが変わっていくのですものね。私もドキドキです。
 

山房の海紅   2016/05/13-12:53  No.[1078]
 
     懐かしくて、三年間の会社勤めを致しましたサッポロの句をいただきます。付句案の「西二丁目」は時計台の住所、「名残り雪」の句はサッポロでは三月四月でも本格的な雪があるというわけ、利休が自刃したのは旧暦二月二十八日(今の三月末にあたる)であったかと思います。無迅さんの花に似合うものがありますように。

31 わが狭庭瓢箪あまたぶら下がる 無迅
32 碁盤挟みて父と息子と    つゆ草
33 転勤は時計台ある北の街 うらら

34案

A)西二丁目の露地のかげろふ
B)名残り雪には見えぬ外灯
C)茶杓買ひ替へ利休忌を待つ

 

伊藤無迅   2016/05/13-21:43  No.[1079]
 
    栄えある花の定座を戴きまして皆様の厚情に感謝いたします。
では、先生のBを戴きます。
風雪に耐えた大和心は、北の大地から一挙に南へ飛びます。

願わくば肥後の花下幹抱いて

一句のみですが、お捌よろしくお願いします。
 

山房の海紅   2016/05/13-22:50  No.[1080]
 
     おかげさまで挙句まで到達。満尾にあたり、多少手をいれました。11に国があるので29の国を消去、音数を整えるために16の学校を授業に、前句にパスポートがあるので28にパリを、前句が大都会に修正されたので29の海をビルに、前句が盆踊りで明るいので31を照らさるるに、熊本地震の終息を祈って35を相逢はんに、等々であります。なお例によって去嫌を厳密にしてはいません。それほどの知識がないこと、勢いを大切にしたいというのが理由です。

 連衆は申すまでもありませんが、時々覗いてくださった方々にも感謝申し上げます。御感想などいただければ幸いです。

 次は千年捌きにて夏の巻、御期待ください。

「花の香や」脇起し歌仙(案)

1 花の香や嵯峨のともし火消ゆる時 蕪村居士
2 しじまの底に眠るふらここ      無迅
3 バス停に虻の羽音を払ひつつ    うらら
4 迎賓館の広き門庭         つゆ草
5 窓に月みえて手触りよきシーツ    海紅
6 りんご狩りへと点呼始まる     うらら
7 自転車の駐在胸に赤い羽根      無迅
8 帆をスルスルと風を待つらし     海紅
9 抱かるるギター奏でしその腕に   つゆ草
10 すぐに母似とわかる流し目     うらら
11 箸使ふ国より卒寿祝はれて      海紅
12 自称保守派が揃ふテーブル      無迅
13 山霧の晴るるに似たり漁夫の利は   無迅
14 諸行無常の淡き月影        つゆ草
15 ちちろ鳴くSOSと椅子並べ      海紅
16 笑顔の戻る授業再開        うらら
17 神さびて岩も畑も雪催ひ       無迅
18 焚き火こはがるコンドルの舞    つゆ草
19 移民宿鮟鱇鍋を受け継いで     うらら
20 長老秘蔵のどぶろくが出る     つゆ草
21 休診の札が出てゐる診療所      海紅
22 尻をはしよりて山椒魚追ふ      無迅
23 日焼けした孫を加へて午後の茶に  つゆ草
24 リュックから出る積木剣玉     うらら
25 ジャンケンに負けて許したキスマーク  海紅
26 手縫ひオムツを畳む喜び       海紅
27 床上げの床の下よりパスポート    無迅
28 パリを彩るコスモスの風      つゆ草
29 ビルを出てビルに沈める月細く   うらら
30 猫も杓子も踊る駅前         海紅
31 丹精の瓢箪二三照らさるる      無迅
32 碁盤挟みて父と息子と       つゆ草
33 転勤は時計台ある北の街      うらら
34 名残り雪には見えぬ外灯       海紅
35 願はくは肥後の花下にて相逢はん   無迅
36 その日暮らしを春のぽかぽか     執筆
   蕪村居士  一
     無迅  九
    うらら  八
    つゆ草  八
     海紅  九
     執筆  一
 

つゆ草   2016/05/14-05:57  No.[1081]
 
    満尾おめでとう御座います。そして有り難うございました。苦手意識のあった連句でしたが、今回の様に3句から好きなものを選べたり、次の句への先生のアドバイスがあったりで、途中少し躓きましたが、最後まで付いて行けた事、心よりお礼申しあげます。私の様な初心者には、とっても懇切丁寧に教えて頂きとても勉強になりました。ネットとは言え、昔から愉しまれてきた連句というものの本質を、少し垣間見た様な思いでおります。私も含めいろいろ添削されたことは、それなりに学びとなりましたし、先生のご尽力に感謝です。蕪村30周年の期に当たり,この様な貴重な経験が出来ました事、一生の思い出になりました。ひぐらしさんは残念でしたが、無迅さんも、うららさんも、有り難うございました。
 

つゆ草   2016/05/14-06:03  No.[1082]
 
    又訂正です。30周年では無く300年でした。失礼しました。
 

宇田川うらら   2016/05/14-10:41  No.[1083]
 
    「花の香や」満尾おめでとうございます。
只今、少々時間をわずらっておりますので、あらためて落ち着いてから書き込みをさせていただきます。

 

文緒   2016/05/14-14:21  No.[1084]
 
   
満尾、おめでとうございます。

海紅先生、無迅さん、つゆ草さん、うららさん、さぞ、お慶びのことと 思います。

ギャラリーの身でありながら、はらはら・どきどき、拝見していました。いつか私も参加したいと、少し、皆さんをうらやましく思いながら・・。

さいごの推敲で、多少 気になっていた点も解消しましたし、沢山 「お勉強」させていただき、御礼 申しあげます。

              
※ 「ギャラリー」に変更( ← 「連衆」 )。


 

eiko yachimoto   2016/05/15-06:20  No.[1085]
 
    昔から連句は建築と似ていると思っています。沢山の材料を用意して、角を切り込んだり、丸めたりしながら、みんなで組み立ててゆく過程が楽しい、棟梁の頭の中の設計図がよくわからないながらついてゆくのも現場に熱があればこそ。ここにできたお家はうららさん、つゆ草さん、無迅さんが、いつでも帰って来られるふるさとです。そこにはいつも蕪村さんと海紅先生が待っていてくれる。

満尾おめでとうございます。沢山好きな付け合いがありましたが、

移民宿鮟鱇鍋を受け継いで
から山椒魚迄の流れと最後の6句に敬服しました。

そして発句の静けさとおくゆかしいほのかな花の香がとくに
月の姿情をとおし、全編にながれ、最後に転調してぽかぽか
にこにこの挙げ句がくるところがいいですねェ。

海紅先生、皆様、おめでとうございます、そしてありがとうございました。


 

宇田川うらら   2016/05/15-11:24  No.[1086]
 
    あらためまして海紅先生、無迅さん、つゆ草さん、外から暖かいまなざしで見守ってくださった皆様に感謝申し上げます。

ひぐらしさん、今回は本当に残念でした。
ご快復を心より願っております。

海紅丸に同乗させていただいておよそ一か月。先生の細やかなお言葉添えを理解できず最後まで劣等生の私でしたが、お見捨てなく無事に港に降ろしていただきました。ありがとうございました!

本当に貴重な経験でした。学んだことは沢山ありましたが、その中で最も印象に残ったものの一つは《会釈》(あしらひ)という言葉です。《会釈》という言葉は日ごろ使う「えしゃく」のことでもありますね。誰かの前を通るときその人にそっとする会釈。付けるということはそんな距離感・感覚なのかなと、先生のご説明に加えてそのように思いました。とはいいつつ、なかなかうまくいきませんが。。。

そしてもう一つは古典を学ぶことの大切さ。連句は古典の知識があるとまた一つちがった趣を醸し出せるのですね。通勤バッグに『古今和歌集』文庫版を追加しました。

この経験を次につなげることができてこそ、今回が生きるというもの。めげずに連句に興味を持ってゆこうと思いました。ありがとうございました。



 

山房の海紅   2016/05/15-20:03  No.[1087]
 
     みなさま、海紅です。こちらこそ捌きの大役を担わせていただき感謝です。無理にお誘いしたにも拘わらず、連衆の輪に加わっていただきました三名に拍手を送りつつ、心よりお礼申し上げます。ひぐらし氏を含めて四名は、小生が指名しなければ、今後もギャラリーを通す人々であったと思います。

 「連句(俳諧)を知らずして、俳句を語ること勿れ」と考えている小生にとって、こういう控えめな俳人に連句を嗜んでいただくことは使命(Mission)でありました。「出勝ち」形式でこういう人々を待つのはむずかしい。イイ俳人は積極的な性格の持ち主ばかりではなく、世間の片隅に暮らす控えめな人々の中にもいるはずです。

 サイト「芭蕉会議」の宣言にも書いていますが、小生の仕事は「山の裾野」に暮らすこと。「世に出る」ことでなく、芭蕉さんが「誇るべき文化」と信じていたはずの連句人(俳人)の裾野をひろげることにありました。

 以上のような意味で、この蕪村生誕300年記念の脇起し四歌仙が、今後もスムーズに進むことを祈っています。
 

山房の海紅   2016/05/15-20:11  No.[1088]
 
    《夏の巻を待ちます》

 夏の巻を捌く千年さんから開始の案内が来る時点でこのフォーラムは綴じ、従来通り格納していただきます。

 それまでのしばらくの間、今後の成長のために、みなさまの御意見をお待ちいたします。
 

伊藤無迅   2016/05/15-23:44  No.[1089]
 
    すっかり書き込みが遅れてしまいました。
今回は、ご指導いただいた先生はじめ、つゆ草さん、うららさんありがとうございました。残念だったのは、ひぐらしさんです。またの機会があれば是非一緒に巻きたいものです。
 やはり連句は楽しくないといけない、今回はそういうことを感じました。でも、ただ座していてはダメ。礼を失しない最低限の式目知識、連衆の好む感性の推量、捌への信頼感(理解)などが総合され「楽しい」が醸造されるように思いました。古典知識も心が触れる一つの材料かもしれません。今回は終盤で皆さんが、そういうようなものを感じながらやっている、と感じました。
ありがとうございました。

 

千年   2016/05/19-12:22  No.[1090]
 
    書き込みが遅れまして失礼いたしました。
以前海紅先生が「連句はオムニバス(映画などで、いくつかの独立した短編を並べて一つの作品にしたもの)」と言われたことがありましたが、その制作・撮影現場に密着できました。監督・海紅先生の運び方や俳優の連衆三氏の演技に「誇るべき文化」連句の楽しみ方を教わりました。
この歌仙は連衆四名がそれぞれに編んでいった編み物になっていてふわりと軽くていいですよね。
さて、次はぞうりを持って夏の川でも超えてみましょうか・・・・請うご期待!?
詳細は追って、会員フォーラム(掲示板)でご案内いたします。今日は海紅捌きの骨法を座骨を伸ばし再吟味させていただき、蕪村生誕300年記念の夏歌仙に備えたいと思います。きっとネット連句を一段と楽しむ秘訣があるはず!

 

車中の海紅   2016/05/19-19:13  No.[1091]
 
    ありがとう。楽しみにしています。
 



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