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 ■201202_01
 海紅   2012/02/07-15:29  No.[7826]
    凍つるまで流れて杣の道の水

無迅   2012/02/11-17:16  No.[7830]
 
    山裾から流れ出た水が仙道に道半ばで凍っている。
水は流れを止めるとその命を全うする。生きよう、流れようと必至に低地を探すが、細った指先に冷気が無常にも忍び寄る。水の生命力とその健気さ、そして自然の無常さがよく表現されている重みのある佳句と思います。
特に「仙の道」が効いていると思います。
むかし読んだ公房の『砂の女』に、「砂は流れを止めると土になる、流動は砂のさだめである」というような一節がありましたが、これを思い出しました。
 

eiko yachimoto   2012/02/15-10:00  No.[7835]
 
    無迅さん、素晴らしい鑑賞をありがとうございます。鮮烈な印象,日本中の山を歩き回った宮本常一もこんな景をみたことでしょう。
 

むらさき   2012/02/17-16:26  No.[7839]
 
    お二人は「 せん 」と、お読みになったのでしょうか?

私は「 そま 」と 読み、鑑賞しました。
内容が深く、表現は大胆なので、想像を掻きたてられました。面白い作品だと、思いました。

コメントに、瑛子さんの「無常迅速」をお借りしました。ありがとうございます。
 

むらさき   2012/02/17-16:40  No.[7840]
 
    「(河川が)凍つるまで」という とてもインパクトのある上の句、それに対して、つづく中・下の句は 水の流れにより添うように 淡々と詠んでいらっしゃる。 上の句と、中・下の句の、このトーンの違いや起伏・強弱が、句をダイナミックで リズミカルなものにしています。
バーンとぶっつけてきて、そのあとは 坦々流れてゆく感じは、まるで 楽曲のようです。 「先生、もしかして、この句 、作曲家のような気分で お詠みになられました?」(笑) 。

これは、「 杣人たちへの讃歌 」でしょうか? 杣人たちの歴史の流れを 水の流れに託し、杣の仕事に生きる男たちの逞しさを、深く 力強く 謳いあげていらっしゃる − ような。

ひとつひとつの言葉の重み・それらの緊密な関係性(構成力)・詠みこみの深さ − に、あらためて感慨を深くしました。

当初、さらさら流れる水を想像していた私は、「杣の道」で、思考停止状態に。 水しぶきがあがっているかもーと ふっと思ったときから、
”水の流れる風景”は ”水の織りなす情景”へと、イメージが一変した。 「道」は、私のなかで ”心象風景としての道”に変わってしまった。

「杣の道」は、杣人たちの生きる道(仕事・生活)、生きてきた道(仕事の歴史・生活の歴史)。それはそのまま、長い自然との闘い いくつもの時代の波との闘い のなかで、道を探り 生き残ってきた人びとの
”強靭さの証明”でもある。

木を切り倒し 筏で運び 「 なんぼう」の世界。冬、河川が凍れば仕事はできない。その上、過酷な労働、報いの少ない収入。その無力感もあってか、嘗ては、仕事が一段落すると「飲む・打つ・買う」に走り、一挙に費やしてしまう男たちも 多かったという。

「凍つるまで」働きつづける杣人たちの仕事・使命感・誇り・杣人たちとその家族の生活 を、ささえてきたのは「水」・水路・河川。 
波打つ「水」の音・しぶきの音とともに、木材の音 筏の音 命がけで仕事をする男たちの緊迫した荒々しい声も、聞こえてきそうである。

[ 現在、杣人の仕事は、廉価な輸入木材の進出 それに伴う村の過疎化、杣人の高齢化などにより 衰退の一途を辿っているという。文字どおり「無常迅速」である(白山連句会第十回興行 瑛子さんの短句から、引用)。]

鑑賞の愉しみ・想像するよろこびを、沢山 いただきました。 ありがとうございます。
 



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