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 ■200907_02
 海紅   2009/07/16-11:43  No.[6513]
    もの言はぬことに決めたる古扇

千年   2009/07/19-18:42  No.[6514]
 
    扇を持っている人、差している人に会うと、何かもの言われそうな気になる。
〇我を指す人の扇をにくみけり 虚子

「古扇」使いふるした扇、ふるびた扇
〇右の酒気さますは左扇かな 宗因
〇六月は風のちからやふる扇 「毛吹草」

もの言わぬ・・の句には上記二つの古句にも通う遊び心があるような気がする。この句は何も言わないで、何かを涼しく指し示している。
「おくのほそ道」で北枝と別れる際に詠んだ「物書きて扇引きさく余波哉」と通底する「扇」という季語の力を感じる。
 

千年   2009/07/20-11:44  No.[6515]
 
    「もの言はぬことに決めたる」は徒然草七十九段の「・・・よくわきまへたる道には、必ず口重く、問はぬ限りは言はぬこそいみじけれ」
「古扇」は同十三段の「ひとり、燈のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなうなぐさむわざなる」に通じるような・・・
・・・・心にうつりゆくことを書いてみました。
 

大江月子   2009/07/20-13:12  No.[6516]
 
    まあよくこそそんなにおしゃべりをしてと思われる節もおありかとは存じますが「・・・よくわきまへたる道には、必ず口重く、問はぬ限りは言はぬこそいみじけれ」はこの歳の悟りとなり、「ひとり、燈のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなうなぐさむわざなる」はこの歳のもっとも私の好むところの境地であります。というような素敵なコメントがこの句にできないものかと、ずっと考えていましたので、おかげさまで千年さんありがとうございました。この句は私でありたいと、これからの心の柱に掛けおこうと思っています。
 

谷地元瑛子   2009/07/23-17:21  No.[6529]
 
    板の如き帯にさしたる秋扇  久女

私はこの句を聯想いたしました。句のリズムが同じです。
扇というのは相当な小道具ですね。モノを言うのです!
瑛子
 

福次郎   2009/07/24-14:21  No.[6534]
 
    ご無沙汰しておりますm(_ _)m

この扇、きっとさまざまな人間模様をしみこませてきたのでしょうね。
もの言わぬと決め込んだのは古扇なのか、あるいは持ち主自身なのか……。

古扇。
もう若くはない女性の持ち物なのか、あるいはガラスケースに陳列された平安人の扇なのか……誰かの形見ということもあり得ますね。
扇の持ち主にいったいどんな人生があったのか、本当のところは誰からも語られない。あるのは古扇と、古扇からイメージした我々の勝手な憶測だけ。
この憶測の広がり方が、そのまま詩的な世界の深さに通じているのかも……。

秋扇(≒もう用済みだよ)でないところも効いているなぁと感じました。
 



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