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 ■200804_02
 海紅   2008/04/23-14:01  No.[5271]
    風立ちてより藤の香は風を追ひ

谷地元瑛子   2008/04/23-15:22  No.[5272]
 
    美しい季節を告げる藤が咲き始めましたね。
子規の藤を詠んだ連作が思い出されます。御句から、この季節の風に揺れる藤が念頭を去来し作者の情動を感じます。
はじめてなのに率直なもの言い出申し訳なく存じますが、575の夫々の句頭はどうしても音韻的に力が
はいるので「より」から中七をはじめることに
違和感があります。

藤の香の風立ちてより風を追ひ

などと、すみません、ちょっと一直したりして楽しませていただきました。


素晴らしい句をありがとうございました。
 

ちちろ   2008/04/23-20:15  No.[5273]
 
    文法は不得意なのですが、「より」を助詞の「・・から」という意味と取るか、副詞の「さらに」「一層」という意味に取るかによって見方が違ってきます。場合によっては接尾辞の「・・たび」とも取れます。助詞の「・・から」と取るとたとえ倒置法であってもおっしゃるように違和感を感じますが、副詞で取れば風が吹くとさらに藤の香は風を追っていい匂いが漂ってくるなあ〜、というように読み取れます。接尾辞でも意味としてはいいのですが、「風立ちてより」という使い方をするのかどうか全くわかりません。どなたか明解な解釈・鑑賞をお願いいたします。
 

ちちろ   2008/04/25-06:26  No.[5278]
 
    何度もこの句を読み返してみたのですが、この句の「より」はやはり副詞の「より」で「より一層」の意味だと思います。そうすると中七で「より」からはじまってもまったく違和感は感じません。谷地元瑛子さん(先生と同姓ですがご親戚とかでしょうか?)の添削の句だと助詞の扱いになっているように思われます。
今朝の読売新聞に亀戸天神の約100株の藤の花が見ごろをむかえた、と報道されておりました。私の住んでいるところからすぐ近くなので今度の休みにでも行こうと思っております。
 

天野さら   2008/04/25-22:21  No.[5279]
 
    私も谷地さんと同じく「より」を助詞と考えます。古語辞典には「格助詞 動作、作用の時間的・空間的な起点。・・・から」とあります。副詞の「より」はありません。この句は「追ひ」となっていますので古典文法が適用されます。したがって「より」は格助詞で風が吹いてからと言う意味の時間的な起点をあらわしています。
この句は5,7,5の正調ではなく7,5,5で破調です。あえてこの破調に挑んだような気がします。しかし17音のうち助詞が5音も占めていて多いです。助詞が多いと説明的になりがち叉、だらだらと言う感じがします。言い切る俳句の形にするために助詞を少なくしてみます「て」と「より」は厳密には違いますが「より」はなくともいいのではないでしょうか。風を追うと説明しなくとも風そのものにしてしまったらいかがでしょうか。「風立ちて藤の香りの風となる」
宗左近先生はなくなる寸前の「死生混沌の日々を送っています(この本の覚書より)中で上梓された「星月夜」は中句と名づけています。俳句とは違って音数はまちまちです。「俳句以前であって現代詩以前、そして両者の中間、よって中句と名付けます」と書いています。それについて金子兜太氏は宗先生の追悼会で「宗左近氏は5,7,5の音が日本人に合わないと考えたのかもしれない。」といわれていました。(新聞記事より)
古代から日本人の感覚にぴったりだった5,7,5の音数も近代の複雑な世ではそぐわなくなってきたのでしょうか。破調の句が多くなってきている今の状況です。この「風立ちて・・」の俳句からふと思い出したことを添えます。「冬眠の蛍の大集団 星月夜」宗 左近
 

ちちろ   2008/04/26-09:08  No.[5280]
 
    さすが、さらさん。明解なご説明ありがとうございます。断言されておられるので文法にはかなりお詳しいのだと思われます。ただ、文法に不得手な小生にとっては格助詞の「より」といわれますと、アレッ、格助詞とは体言あるいは用言の連体形につくのじゃなかったっけ、と単純に思ってしまうのですよね。「立ちて」の「て」は助動詞「つ」の連用形だと思いますがそのような使われ方もあるんだと勉強になりました。
それと時間的な起点をあらわしているとのことですが、原因とか理由とかの「より」とはとれませんでしょうか。
この「より」が副詞でないのならさらさんの添削の句のほうが原句よりすっきりして良い句だと思います。
 

天野さら   2008/04/26-09:36  No.[5281]
 
    私は自信がないまま書いていますのでこの格助詞も少し不安でした。言い指摘を戴きました。おっしゃるとおり格助詞とは体言または活用語の連体形に付くというのが一般的です。調べてみましたら「より」はまれに形容詞の連用形や助詞にも付くと古語辞典にありました。「風立ちて」の「て」は接続助詞と考えますのでまれに使われる例にあたるのではないでしょうか。そして、「て」は原因・理由をあらわす、ともありましたので風が吹いたために、風が吹いたのでと解釈したいです。風が吹いた時という起点もはずれていないと思います。いい勉強になり、ありがとうございました。恥をかいて学んでいく場かもしれません。
 

ちちろ   2008/04/26-11:38  No.[5282]
 
    この場は俳句の勉強の場でもあり、文法の勉強の場でもありますね。さらさんのおっしゃるようにこの句は文語体なので文語文法が適用されるのだと思います。やはりこの「より」は副詞ではないのでしょう。でも未練が残るんですよね。
 

三木喜美   2008/04/27-11:20  No.[5283]
 
    この句を以前目にした時からずっと「藤の香は風を追ひ」のフレーズがとても素敵で好きです。文法のこと等考えもせず、私の中ではそれでなくても良い香りがする藤の花が風を得てなおさら香りが漂ってきている、と解釈していました。藤の花が擬人的で風になびいている姿も女性のように見え、風と戯れている・・等と勝手に楽しんでいました。文法は本当に難しくとても良い勉強になりました。
 

椎名美知子   2008/04/27-12:01  No.[5284]
 
    私は種田山頭火の詩(俳句?短詩?)が大好きです。
山頭火の詩が定型であったら、これほどに魅かれたか、心に飛び込んではくれなかっただろうと思います。
 作者が心の赴くままに、形にとらわれず、今、感じたことをそのまま前に押し出していて、新鮮で作者とおんなじ場所に立っているように、その空気を感じることが出来ると思っています。山頭火にとって「今」を表すのに型はあまり関係なかったのでは。というよりことは許せなかったのでは。うまくいい表せませんが。
 山口の友人からはいつも山頭火の詩の入った葉書で、そのたびにその詩から伝わってくる、ある潔さを楽しんでおります。
 先生のこの句に山頭火を感じております。
 私は文法苦手の感覚人間だなあと苦笑しながら、文法のほうはここで学ばせていただくことにして、感じたままで失礼します。
                                          
 

ちちろ   2008/04/27-12:41  No.[5285]
 
    三木さん、椎名さんのおっしゃるように私も今朝メールを入れようとしていたのですが、文法論議になってしまって、作者の意図からかけ離れてしまったのではないと考えておりました。とはいえ全く無視するわけにもいかないし・・。いずれにしても破調とか不定形とか、自由律とか以前に先生の句は難解な句が多すぎて読者泣かせです。今回の句は踏み絵の句とか凍解の句よりはわかりやすいのですが小生としては感覚も大事ではあるけれどやはり文法の使い方なども気になってくるとそれを解決しないと眠れなくなってしまうんですよね。ご勘弁のほどを・・。
 

しんしあ   2008/04/28-22:23  No.[5289]
 
    こういうイメージ的な俳句好きだよ(*^^*)



先生って結構子供っぽくて可愛いとこあるよね(^^)



日比谷公園の噴水前(霞門のところ)はこの句がとてもとてもよく合う気がするよ(^^)




 

天野さら   2008/04/29-23:46  No.[5295]
 
    文法に弱い私が書きすぎて恥じ入っています。ちちろさん恥を書いているのは私です。本当に文法のことに細かく触れるとせっかくのいい句の雰囲気も壊しがちです。最近藤の花を読んだ句で下句が「匂いの雨となる」というのを見かけました。こういう詠み方は一般的なのかもsれません。この句はあえてそういう詠み方を避けたのでしょうか。それにしても「より」は色々解釈が出来るので迷うところです。口語、文語文法など関係なしに好きな語を好きなように使いたい、と言う時代に入っているのかも知れません。「より」が副詞とするなら修飾語が遠い気がします。
離れすぎているように思いますがいかがでしょうか。
 

ちちろ   2008/04/30-08:07  No.[5298]
 
    さらさんよりのご質問にお答えするとまた、文法論になってしまいそうですが、副詞の「より」を辞書で調べたところ、ヨーロッパ語の形容詞比較級の翻訳として助詞「より」から転じた語、とあるので副詞としての「より」はかなり新しい語なのですね。もし現代語としての副詞の「より」ならば用言、体言、他の副詞をも修飾するので「藤の香」を修飾していてもいいのではないかと考えますが、やはりここはさらさんのおっしゃる助詞なのだと思います。
あとは谷地さんのおっしゃる「音韻的な違和感」とか、さらさんのおっしゃる「破調」とかについて読者の皆さんがどのように受け止め、解釈し、鑑賞するかでしょうね。
三木さん、椎名さん、しんしあさんのように素直に感覚で受け止めることが一番いいのでしょう。
 

谷地元瑛子   2008/05/01-16:50  No.[5303]
 
    watakushi wa yachimoto ga sei de eiko ga na desu.
皆様のコメントが沢山続いているので
新参ものは驚きました;--)

いまや藤の花ざかりですね。山の木々を覆うように
咲いている野藤が好きです。

 

和子   2012/10/19-00:19  No.[7941]
 
    ここの「あや」は誰とでもセクスする悪い子m(_ _)m♪ こちら
 



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